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2023-08-15

【陸上】北海道インターハイ・“東福岡乃風”が吹いた男子マイル 史上初の3連覇を達成した奇跡

史上初の3連覇という偉業を成し遂げ、OBからの思いのこもった旗を掲げる選手たち(写真/中野英聡)

8月2~6日まで、厚別公園競技場で開催された北海道インターハイ。東福岡高(福岡)が個人種目で、100m、200mで黒木海翔が二冠、400mHでは渕上翔太が2位、400mでは庄籠大翔(以上、3年)が4位と最上級生が活躍。4×100mRでは5位。4×400mRでは史上初の3連覇を成し遂げ、総合40点を獲得。総合優勝を勝ち取った。

応援してくれた方々へ「優勝をして恩返し」

大会最終日に、東福岡高(福岡)が男子マイルで史上初めての3連覇を達成した。

 決勝レースは、東福岡高がトップを守りながらも、相洋高(神奈川)、自由ケ丘高(福岡)と3分9秒台のチームが背後から虎視眈々と狙う展開となった。「タイムより、勝つことだけを考えていた」と話した相洋高の2走・民谷頼里(3年)がラストで詰め、3走ではついに相洋高がトップに立った。

「抜かれたときは正直、緊張感があった」と話したのは、4走で準備をしていた東福岡高の渕上翔太(3年)。しかし「前半は自分のペースでいき、ラストに備えた」という3走・小坂洸樹(東福岡高3年)が再びトップに立つ。アンカーの渕上が走り出したが、バックストレートでは自由ケ丘高の小幡心優(3年)が渕上を抜いた。スタンドから熱い視線を浴びるなか、ラスト100mで再逆転。東福岡高が3年連続日本一に輝いたのだった。

 部旗に刻まれた“東福岡乃風”が吹いた大会最終種目。3連覇を達成したメンバーは、部旗とともに“走姿顕心”(=走る姿に心が顕れる)と書かれた横断幕も誇らしげに掲げた。この横断幕には、OBの生永傑さんが全国を回って集めたという寄せ書きが記されていた。「優勝して恩返しができて良かった」と、キャプテンの渕上が喜びと安堵の表情で語った。

選手自身でオーダーを組んでいるという東福岡高。1年時から優勝を見てきた3年生でバトンをつないだ(写真/黒崎雅久、中野英聡)
選手自身でオーダーを組んでいるという東福岡高。今大会は1年時から優勝を見てきた3年生でバトンをつないだ(写真/黒崎雅久、中野英聡)

受け継がれる“走姿顕心”

東福岡高は4×400mRで、2013年大分インターハイから、バトンミスなどで駒をすすめられなかった2回を除き、毎年インターハイで入賞を果たしてきた。それでも届きそうで届かなかった日本一。その悲願の初優勝に輝いたのが、2年前の福井インターハイだった。そのとき1年生で3走を務めたのが、今回1走の庄籠大翔(3年)だった。

前回の徳島インターハイは、4チームがゴールになだれ込む激戦を制して連覇を達成。同校はその年、高校記録(3分07秒81)も樹立し、そのメンバー3人が残る今大会は、絶対的王者として臨んだインターハイだった。

それでも「3連覇のプレッシャーがない、と言えば噓になる」と話していた渕上。今大会、ランキングトップで臨んだ個人種目の400mHで勝ち切れず2位になり、「キャプテンとして、やってはいけないミス」と自分を責めていたが、マイル3連覇へのプレッシャーもあったのだろう。

決して、順風満帆に達成できた3連覇ではなかった。それでもメンバーたちは、どの年も「いつも通りに走れば、結果はついてくる」と言っていた。同校の選手たちには、試合のための練習を積み重ねてきた、という自信があった。

走姿顕心——。東福岡高のメンバーが走る姿にはまさに、走ることに対する真摯な姿勢、心が顕れていた。

「3年間、同じ景色を見ることができて、大変うれしく思います」。そう喜びを表現した庄籠の言葉からも、その謙虚な心が顕れていた。

フィニッシュ後、スタンドで大きな声援を送っていた仲間のもとへ向かい喜びを分かち合った(写真/黒崎雅久)
フィニッシュ後、スタンドで大きな声援を送っていた仲間のもとへ向かい喜びを分かち合った(写真/黒崎雅久)

文/新甫條利子 写真/黒崎雅久、中野英聡

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