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2023-08-15

【陸上】北海道インターハイ・相洋高が4度目のリレー4種目入賞 相洋流トレーニングで1年生も活躍

4度目の全種目入賞を成し遂げた相洋高。写真左から男子4×100mR、女子4×100mR、男子4×400mR、女子4×400mR(写真/朝倉宏二)

8月2日~6日まで厚別公園競技場で行われた北海道インターハイの男女リレー4種目で、市船橋高(千葉)と相洋高(神奈川)が全種目入賞を果たした。リレー種目は2001年に女子4×400mRが加わり、現行の4種目になった。過去には01年と03年に成田高(千葉)、15年に東京高(東京)が全種目入賞を達成。今大会の市船橋高は一昨年に続いて2度目、相洋高は10年、13年、14年に続いて最多4度目の偉業を成し遂げた。

1年生を積極的に起用し、采配的中

相洋高は06年から、男女リレー4種目のうち必ず1種目以上で決勝に進んでおり、今夏も存在感を発揮した。男子は4×100mRが40秒42で3位、4×400mRが3分10秒39で2位に入り、両種目でメダルを獲得。リレーの奮闘が、学校対抗得点で総合2位の原動力になった。

4×100mRは9年ぶりの入賞。100m7位の2走・江崎優斗(3年)らで上位につけ、1年生アンカーの村上祥太郎が、昨年まで2連覇中の洛南高(京都)に0秒01差で競り勝った。銭谷満先生によると、相洋高ではインターハイの同種目で1年生がアンカーを務めたのは初めてだというが、村上は他校のエース級を相手に堂々とした走りを見せた。4×400mRは3年生のみのメンバー構成。800mで6位に入った八柳誠志を決勝で1走に投入し、2走からは民谷頼里、朱雀海、江崎と、昨年5位のメンバー3人が力走した。

そして、4種目のなかでも“リレーの相洋”の面目躍如となったのが、女子4×100mRだろう。大会前のチームベストは47秒14で、南関東大会では7位と0秒01差の6位でギリギリ通過だった。それが、予選でいきなり46秒51をマークすると、準決勝で46秒44に更新。決勝は46秒62で6位に入賞し、出場校ランキング33位から躍進を見せた。銭谷先生は南関東大会から1走に工藤心、全国大会を迎えてからアンカーに富田絢華と、1年生を続々投入。その采配も的中した。

男子4×100mRの3走・民谷から4走・村上へのバトンパス。1年生の村上はアンカーを務め堂々とした走りで3位に入った(写真/黒崎雅久)
男子4×100mRの3走・民谷から4走・村上へのバトンパス。1年生の村上はアンカーを務め堂々とした走りで3位に入った(写真/黒崎雅久)

女子は1、2年生のみでW入賞

1年生は入学後まもなくインターハイ路線が始まるが、上級生と同じように試合期のトレーニングを開始すると、地区大会が行われる6月頃にダメージがきて、ケガをしやすくなる。だからどんな選手でも、入学後3週間は体力づくりに充てるのが銭谷先生の指導方針だ。例えば工藤は、中学時代には全国大会の出場経験はなく、100mの自己記録は12秒73だった。4月の記録会では13秒かかっていたが、「じっくりと体づくりからやってきた」(銭谷先生)と、相洋流のトレーニングで7月初めに12秒38まで伸ばしている。

4×400mRでも、1年生の塩谷香菜が起用された。銭谷先生は予選の様子を見て、200m24秒50を持つ主力の山部愛心(2年)の調子が上がらなかったこともあり、準決勝から思い切って塩谷に交代。塩谷も中学時代は200m26秒48で、関東大会の経験もない。400mの自己記録は7月中旬の記録会で出した59秒14だが、大会前の練習で行った加速走では主力の畑和希(2年)と同走して55秒台で走っており、銭谷先生も自信を持って送り出したという。3走を務めた塩谷は、決勝でラップ56秒0をマーク。アンカーの重責を担った富田も、フラットレースの自己記録(56秒78)を大幅に上回るラップ54秒9の激走。400m54秒90、ラップベスト53秒0を持つ平野里歩(中京大中京高3年・愛知)の追撃を振り切って、3位でフィニッシュした。畑は「優勝が目標だったので、満足していません」と悔やんだが、相洋高の先輩たちが17年に樹立したU18日本最高に0秒50まで迫る3分41秒50の好記録だった。女子は両リレーとも、1・2年生のみで入賞。今後につながる夏になったことは間違いない。

両リレー1、2年生のみで走り切った女子。4×400mRは3、4走を塩谷、富田(写真)の1年生が担った(写真/黒崎雅久)
 両リレー1、2年生のみで走り切った女子。4×400mRは3、4走を塩谷、富田(写真)の1年生が担った(写真/黒崎雅久)

文/石井安里 写真/朝倉宏二、黒崎雅久

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