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2023-10-22

【陸上】U18U16大会・吉澤登吾が男子800mを制覇 インターハイ路線の雪辱を果たす

全国初優勝を果たした吉澤。夏に練習を積めたことが今に生きている(写真/近藤正直)

10月20日から22日まで3日間、愛媛県総合運動公園陸上競技場で開催されているU18・U16大会。U18男女各15種目、U16男女各11種目の計52種目が行われる。
22種目の決勝が行われた2日目。初日に予選、2日目に決勝が行われた男子800mは吉澤登吾(桐朋高2年・東京)が1分51秒39で大会を制した。

今季4人が1分50秒を切るなど、活況を呈している高校男子800m。シーズン最後の全国大会であるU18大会を制したのは、吉澤だった。前半は集団の前に出ず、我慢していたという吉澤。「残り200mで絶対にいけると思いました」と、終盤にかけて徐々に上がっていき、ラスト100mで抜け出すと、1分51秒39で優勝を飾った。

今季は4月の初戦で1分51秒21と当時の自己記録を更新し、幸先の良いスタートを切った。しかしインターハイ路線は、激戦となった5月の東京都大会で7位。わずか0秒03差で南関東大会に進めず、8月の北海道インターハイへの道を断たれた。それでも、800mと同日に決勝が行われた4×400mRでは、桐朋高の3走を担い、6位で南関東に進出。このとき2走を務めたのが、八種競技で2021・22年のインターハイで2連覇の高橋諒(3年)だった。高橋は、「マイル(4×400mR)では吉澤がチームで一番速いので、自分がしっかり走らないと南関東に行けないと感じていたはず。これは僕の個人的な考えですが、吉澤はマイルのために力を温存しておきたい気持ちがあったのでは。チームのために、個人種目の800mで南関東に行けなかったことが本当に申し訳なかったです。マイルが6位でギリギリ南関東行きを決められて、ちょっとは救われたと思います」と、後輩を慮った。

結局、4×400mRは6月の南関東大会止まりだったことから、夏の間、吉澤は秋の大会に向けてひたすら練習を積んだ。「1周目を速いペースで入っても、ラストで爆発的なパワーを出して進んでいけるように」(吉澤)と、スピードを強化。その成果は着実に表れ、9月に行われた東京都高校新人では高2歴代6位、U18日本歴代8位の1分49秒98をマーク。「自分でも出す力がついたとわかってはいましたが、実際に1分50秒を切れてめちゃくちゃうれしかったです」と、自信を持って今大会に挑み、タイトルを手にした。

北海道インターハイでは、同じ2年生で、今年3月に共に全国合宿に参加した落合晃(滋賀学園高・滋賀)が高校歴代3位、高2歴代2位、U18日本歴代2位の1分47秒92で優勝。同じ舞台で戦えなかったことに悔しさを味わったが、「落合君がいるからこそ、頑張らないといけない。1分49秒台を出しても通過点に過ぎない。その先を目指してやっていかなければ」と、努力を続けている。自身初の全国制覇を喜びながらも、「今回は落合君が出ていないから」と浮かれる様子はない。

来季の目標は、もちろん福岡インターハイの優勝だ。そして、「縁があれば日本代表に選んでもらって、高校のうちに世界大会を経験できたら」と、U20世界選手権代表も視野に入れている。

文/石井安里 写真/近藤正直

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