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2023-10-30

【天龍プロジェクト】クセモノぞろいの「龍魂杯」へ羆嵐、腹をくくる「羆嵐を押し通してきたけど龍魂杯に関しては丸め込みが必要」【週刊プロレス】

「第3回龍魂杯」へ意気込みを語った羆嵐

天龍プロジェクトのシングルトーナメント「龍魂杯」初出場となる羆嵐は、エントリー16選手の中でもっとも厚みを誇るスーパーヘビー級。「天龍プロジェクトのヘビー級の顔になる」と公言してきた中、クセ者揃いのトーナメントに勝ち進むべく裏の裏をかく必要性と向き合っている。その手段とは?
◇     ◇    ◇
――10・17新木場で河野真幸&児玉裕輔選手とWAR世界6人タッグ王座を奪取した時、いつものふてぶてしさからは想像できないほど喜んでいました。キャリアの中で初めてベルトを巻いたわけではないにもかかわらず、あそこまで嬉しかったのは?

羆嵐 (WRESTLE-1という)家がなくなって放り出されて3年ですけど、もう何回もタイトルに挑戦して…たぶん6回ぐらいやっているんですよ。それが全部ダメで。トーナメントに出れば出たで結果が出なかったんで、マジで嬉しかったんです。

――羆嵐選手は天龍プロジェクト再始動後のスタートからではなく、途中から参戦してきての戴冠でした。

羆嵐 フリーとしていろんな団体に上がる中で、天龍プロジェクトのリングでも羆嵐を崩さないようにすることを心がけていて。僕の色に染めていかないと、羆嵐が広がっていかない。ここのリングではこうやるではなく、どこのリングでも羆嵐を押し通す。それにプラスアルファで、天龍プロジェクトさんは大きい人がいっぱいいるから、その点でわかりやすく闘う。単純明快に真正面からぶつかっていく闘いを心がけています。

――WAR世界6人タッグ戦の時も似たサイズのGAINA選手との攻防が目を引きつけていました。

羆嵐 僕とGAINAさんが丸め込みをやっても見たいと思わないでしょう。何、ブレてんだよってなっちゃうと思うんで。

――全日本プロレスにも参戦していましたが、あのリングも大きい人の集まりですよね。

羆嵐 全日本の選手はタッパがあるのに対し、GAINAさんは厚みがある。天プロさんでも河野さん、耕平さんのようなタッパのある選手がいるんで、僕はどっちのリングもやりやすいです。小柄な相手の方がハッキリ言ってやりづらい。けっこうね、丸め込まれちゃうと体が硬いんで。

――10・7川崎でも圧倒的に攻めながら丸め込みでSUSHI選手に不覚の逆転負けを喫してしまいました。

羆嵐 あんな小柄でない人間が丸め込みを出してくるなんて思わなかったッスから。油断していたつもりはなかったんですけど、何度となくシングルでやってきているので、こっちも変化していかなければダメだなって思いました。裏の裏をかくというか…あっ、それは結局、表になるのか。それはともかく、だからといって僕が丸め込みを使ったところでアレなんで、そういう裏のかき方ではなく、押してダメならもっと押せ!みたいな。

――そのSUSHI選手と1回戦で当たるのは…。

羆嵐 いいイメージとしては残っていないですよね。なので、脳内をリフレッシュさせてまっさらな状態でいきつつ、心のどこかには裏の裏をかくことを置いておくと。裏の裏をかいても最終的には圧殺です。でも…トーナメント表を見て思うのは、よくぞ全員これほどのクセ者を集めたなと。

――龍魂杯=キング・オブ・クセ者選手権と一部で言われています。

羆嵐 この中だったら僕がわりと正統派になるんじゃないですか、わかりやすさという意味で。だから、裏の裏をかかなければならないのはSUSHI戦に限らず全部ですね。

――でも、そういう相手が揃っているからこそ根こそぎ圧倒すればさすがは羆嵐!となります。

羆嵐 結局は、どんな相手であっても自分のペースを崩してしまったら元も子もないっていうことなんですよね。反対側のブロックも…矢野(啓太)さんとか想像できないですもん。

――羆嵐vs矢野啓太というのは我々も想像不可能です。

羆嵐 一回も試合したことないですね。意外とWRESTLE-1の時から一緒の児玉ともシングルやったことがないんです。やりやすさで言うなら、やっぱり耕平さんや男児のようなタイプですよね。河野さんは大型だけど飛びつき腕十字のような技をカウンターで決められる人なんで、それと比べたら直線型の男児の方がやりやすい。

――よほど丸め込みや切り返し技を警戒しているんですね。

羆嵐 全日本のチャンピオン・カーニバルに出た時、1勝しかあげられなくて、あとは全部丸め込みで負けたんですよ。恐怖症になっています。

――それを克服するのがプロというものじゃないですか。

羆嵐 そうなでんすけど、まったく丸め込みを切り返す反復練習のようなものはやらずに、潰し合うようなスパーリングしかやっていないんで。ああでも、僕ぐらいの体重で丸め込めば、重くて返せないか。目には目をか。さっきと言っていることが全然違いますけど。

――でも、スーパーヘビー級の丸め込みというのも有効だと思います。ジャイアント馬場さんがスタン・ハンセンさんからピンフォールを奪ったのもジャイアント・スモールパッケージだったじゃないですか。

羆嵐 相手の顔面に体ごと乗るジャックナイフ(式エビ固め)とか有効でしょうね。ラッパですよ。技名は「クマのラッパ」でいきましょう。

――ブレーメンの音楽隊みたいでいいですね。

羆嵐 実際、そういうテを使ってでもいかないとこのトーナメントは勝ち残れないですから。それほど一筋縄ではいかないのが龍魂杯なんだなって。羆嵐らしさにはこだわりますけど、今回に関しては自分がやられてきた経験を生かしたものを出す必要がありますね。

――それによって幅が広がるわけですから、いいんじゃないでしょうか。

羆嵐 体が硬くてもできる丸め込みって、あると思うんですよ。ジャパニーズ・レッグロールクラッチとかはさすがに無理ですけど。

――いやいや、やってみてください。決めたらすごいインパクトですよ。それ一発でプロレス大賞の技能賞に選ばれるかもしれません。

羆嵐 いや、デビュー3年目以後は三点倒立運動はやってもブリッジやっていないんで。ただ、あれほど取って嬉しかったベルトを持って出場するからには負けるわけにはいかないですから、勝つためにはどんな手段を使っても。意外って思われるでしょうけど、最近スタミナがついてきていて、一日3試合になっても大丈夫です。体重を7kg落とした上でパワーが上がっています。

――確かにWAR世界6人タッグ戦でもロングマッチの最後まで動きながら、GAINA選手の巨体にさいたまで乾杯!(カナディアン・バックブリーカーからのフェースドライバー)を決めたのは驚かされました。

羆嵐 その意味ではトーナメントを前にしてあの試合を経験できたのはよかったのかもしれないですね。ただ、あの試合は河野さんと児玉の力があったからこそであって、今回は自分一人で乗り越えなければならない。優勝できたら、後楽園のリングで「えい、えい、ホーッ!」で締められますから。この前(10・17新木場)あれをやった時、メチャクチャ気持ちよかったッスね。それプラス、真の“天龍プロジェクトの顔”になるためにもね。(聞き手・鈴木健.txt)

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