9月15日に開催される東京五輪のマラソン代表を決めるMGCで、出場する31人のうち23人以上が使用するだろうと言われている高炭水化物ドリンクのモルテンが、8月21日に都内でワークショップを開いた。スウエーデンの本社から開発に携わったスポーツ栄養の専門家であるトビアス・クリステンソン氏ら3人が来日して、スポーツドリンクの歴史を大きく変えた飲料について解説した。
上の写真:モルテンの特徴の1つであるドリンクが胃の中で固形物のよう変化するハイドロジェルテクノロジーの図解。口の中のはph7だが、胃の中はphが1〜2。胃酸によって液体がカプセルのように変化するという
「スポーツドリンクには3つの弱点がある。炭水化物が少ない。胃の炭水化物を消化する許容限界がある。そして口腔内破壊の原因になる。モルテンはそれを全てクリアしようと開発された」
モルテンジャパンの森重一雄社長の説明はこんな言葉から始まった。走るためのエネルギーは炭水化物である。モルテンには、従来のスポーツドリンクの3倍の炭水化物が含まれている。
炭水化物は、通常、胃の中に3時間ほどとどまる。フルマラソンを走る際、食事はスタートの3時間までに終わらせたほうがいいと言われるのはそのためだ。モルテンドリンクは、液体で体に入った炭水化物を胃の中でカプセルのようにしてしまうので、胃に止まらず、17分後には腸に到達するという。このカプセル化が、ハイドロゲル・テクノロジーだ。
そして3つめの口腔内破壊。通常のスポーツドリンクの糖は、虫歯などの原因になるが、モルテンの天然素材の炭水化物は、虫歯や歯槽膿漏などの原因になりにくいという。
スウェーデンのモルテン本社のスポーツ栄養の責任者であるトビアス・クリステンソンが、森重社長の説明を補足した。それが上の写真の図だ。
液体が胃に流れ込むと、胃酸によって炭水化物がカプセル化される。通常の炭水化物であれば、胃に長い時間とどまるのだが、カプセル化することによって、胃が騙される。炭水化物とは認識しないので、腸に送り出してしまう。腸で分解された炭水化物は、速やかに血液で筋肉に送り届けられるというわけだ。
「これらのことは、全てエビデンス(科学的に証明されていること)がある」と、クリステンソンは胸を張った。
モルテンのドリンクは、胃でチャポチャポしないという経験をもつランナーは多い。それはカプセル化するからだろう。一方、腹持ちがいいという印象をもつランナーもいるようだが、この説明からすると、錯覚だろうか。速やかにエネルギーに変わることによって、腹持ちがいいと感じてしまうのかもしれない。
左からトビアス・クリステンソン、セールス部門のトップのユアン・レペット、ブランドマネージャーのフィリップ・アールクエスト。
ワークショップの中では、ハーフマラソンやフルマラソンでの、モルテンの活用法が紹介された。フルマラソンレース 中は6kmごとにGEL100をとることを推奨している。消費カロリーと摂取カロリーのバランスから考えれば当然だろう。
しかし、1袋920円のGEL100を1つのレースで6本も消化するのは、人生をかけているエリートランナーならまだしも、一般ランナーにとっては現実的ではない。自分なりに工夫する必要がありそうだ。
質疑応答では、他のサプリメント、BCAAやクエン酸、コエンザイムQ10などとの併用についての質問も出た。モルテンとしては、併用はおすすめしないというスタンスだ。特にクエン酸については、酸がハイドロジェルに影響を与えるのでNGだ。
NGと言えば、ドリンク160もドリンク320も、ともに500mlの水に溶かす。これは必ず守って欲しいそうだ。ドリンク320を1リットルの水に溶かしてもいいように思うかもしれないがそうではない。ゲル化に必要な成分が足りなくなるので、本来の機能を発揮できなくなる。
スポーツドリンクの歴史を変えたとまで言われるモルテンドリンク。これまで主要なマラソン大会で19勝という驚異的な戦績を残している。MGCをはじめとする今シーズンのマラソン大会で、使用するランナーがどのようなか活躍を見せるのだろうか。
MGCに出場する選手の中には、契約でモルテンのロゴが入ったボトルやGEL100を使うことができない選手もいる。そんな選手のためにモルテンが用意したボトルとGEL100。アメリカでは、あっという間に完売したという。
昨年9月のベルリンマラソンで世界記録を打ち立てたエリウド・キプチョゲ選手がサインが入ったボトルと他社との契約により、レースでモルテンを表立って使うことができない選手のための特別なボトル。
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