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2025-05-08

2年前のスーパージュニア覇者、マスター・ワトの晴らしたい悔恨と大いなる野望「最高の歓喜に、もう一回包まれたい」【週刊プロレス】

スーパージュニアに向け語ったワト

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5月10日の千葉大会から今年も新日本「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア」が開幕するが、マスター・ワトは並々ならぬ決意をもって、自身の“悔しさ”を晴らすべくリーグ戦に臨む。

 ワトは2年前にスーパージュニアを初優勝。同リーグ戦は2020年から高橋ヒロムが3連覇を飾っていたが、ワトの優勝は新日本ジュニアに風穴を開けるものだった。その後、2023年6月に大阪城ホールで時のIWGPジュニア王者・高橋ヒロムに挑むも、敗北。ジュニアの頂点取りはならなかった。
 翌2024年1月に左ヒザ前十字ジン帯断裂のケガを負い、長期欠場を余儀なくされる。復帰したのは約9カ月後の10月で、昨年のワトはスーパージュニアに出場ができなかった。この欠場はワトにとって「レスラー人生で一番悔しい経験」と話すほど、大きなものとなった。

「本来だったら出ていたわけで。“前年度覇者”という話題は絶対出てくるし、連覇が懸かっていたのに出場できなかった。レスラー人生で一番悔しい経験でした。思い出せば、もっとあの時の悔しさが出てくる…それがあったからこそ“次こそは出てやる”という思いで、リハビリもそうですけど、一日でも早く復帰してやるという気持ちで励んでいました」

 悔しさを味わった昨年のスーパージュニア。優勝した2023年以来の出場となる今年のワトのテーマは明確だ。

「ヒザ以外は元気なのにできないという状況が悔しかったし、(昨年は地元である)大阪城での決勝という部分もあったし、そういった面でも悔しかった。ここで結果を出して(悔しさを)晴らすのが今回の目標です。一昨年優勝したあとIWGPジュニアの選手権試合もありましたけど取れなかったので、今年はスーパージュニアを優勝して、シングルも取りたい」

 同じAブロックで気になる選手についてはヒロムの名を挙げ「高橋ヒロムという存在は自分のなかですごく大きい。なかなか勝てない相手で、一昨年のタイトルマッチの時も勝てなかった。今年こそは、超えたい、勝ちたい気持ちがありますね」と語る。

 決勝に上がった時、当たりたいBブロックの選手には迷いなくYOHの名を出した。4・29佐賀でともにIWGPジュニアタッグを獲得した現在のパートナー。「勝ちは譲らないですけど、決勝でやりたい思いはあります。YOHさんに上がってきてほしい」と話す。

 描く青写真はIWGPジュニアタッグ王者としてスーパージュニアを優勝し、さらにIWGPジュニアを取って“3冠”となること。

「ジュニアタッグを取って気持ち的にも上がっている状態なので、その3タイトルを同時期に取った人はいないので、そこを達成したい。それができる最大のチャンスがいまなのかなというのはあるので、やり遂げたいです」

 加えて、ワトは取ったあとの“IWGPジュニア連続最多防衛記録更新”も掲げてみせた。IWGPジュニアの防衛記録は、ヒートが03年末の戴冠から04年12月にかけて作ったV11。約20年にわたり、この記録は破られていない。ワトは大いなる野望を口にした。

「IWGPを取って、新日本というものをもっと世間に出していきたい。プロレス界で新日本を広めるのももちろん大事ですけど、世間にプロレスの良さをもっと出していきたい。IWGPとともに、いまは“俺たちの新日本プロレスだ”というのを、いろいろな世代に伝えていきたいです。そのためにはIWGPジュニアのベルトが必要になるし、スーパージュニアを取ってタッグのタイトルも持ったままシングルも取れば話題になると思うので、プロレスを知らない人にも注目してもらいたい。ヒートさんの最多防衛記録も超えたいです。タッグもシングルも、最多防衛したい。可能性はゼロではないと思っています。言ったからにはやらなければいけないと、自分を追い込む意思で発言していますので、追い込みます」

 人によっては「そんな先まで…」と思うかもしれないが、ワトはあえて口にすることで、意識を高めていけるという考えがある。2年前のスーパージュニア覇者として、こうも語った。

「一度優勝したからには、また優勝したい。最高の歓喜に、もう一回包まれたいです。スーパージュニアに優勝して、あの時のお客さんの反応だったり、ともに喜んでくれるお客さんがいたというのはすごく嬉しかった。新日本ジュニア最高だな、スーパージュニア最高だなと思えた瞬間だったので、またその光景を見たいですし、みんなで喜びたい。ああいう最高の場所を作り上げたいなという思いはすごくありますね」

 悔しかった1年前の思いも胸に、グランドマスターを目指すワトは大きな栄光をつかむため、2度目のスーパージュニア制覇を狙う。

<週刊プロレス・奈良知之>

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