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2025-05-08

スーパージュニア最年少優勝を狙う藤田晃生の信念「世代とか関係なく、強いヤツが強い」【週刊プロレス】

今年2月、デスペラードのIWGPジュニアに挑み激闘を展開した藤田

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いま新日本ジュニアで、もっとも期待値を上げている男が22歳の藤田晃生と言えるだろう。

 今年2月にはエル・デスペラードのIWGPジュニアに挑戦し、ベルト奪取はならずも激闘を展開して一気に評価を高めた。年頭からはロビー・イーグルスとIWGPジュニアタッグを保持し、4・29佐賀でYOH&マスター・ワトに敗れるまでチャンピオンとして君臨。つい先日、5・4福岡では10人タッグで対角にいたTAJIRIから「素晴らしい」と賛辞を送られてもいる。藤田に、いわゆる“プロレス界の常識”は通じない。いま藤田は、己を信じ5・10千葉から始まる「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア」に臨もうとしている。

 年頭のジュニアタッグ獲得は“IWGP”の名がつくベルトの史上最年少戴冠でもあった。今回のスーパージュニアも、現在の最年少優勝は2016年にウィル・オスプレイが成し遂げた23歳が記録。今回藤田が制覇すれば、それを更新することとなる(※ニック・ウェインも19歳での出場で、優勝すれば史上最年少)。

 藤田は「記録だけにこだわるつもりはない」と前置きしつつも「史上最年少を狙っていくのはもちろん」とキッパリ。昨年に続き、2度目のスーパージュニア出場で「ハードスケジュールのなかで毎回毎回、相手も変わる。去年の悔しさを胸に、去年から10倍、100倍強くなった自分で挑みたい」と言った。たしかに、目覚ましい活躍を見せている近況を思えば「10倍、100倍強くなった」との言葉もうなづける。藤田は「周りも強くなっているしレベルも上がっていると思うけど、その10倍、100倍強くなっている自信がある。そこを見せられたら」とキッパリ言った。

 同ブロックで意識しているのは、佐賀でタッグベルトを取られたさいフォール負けを喫したマスター・ワト。そして、高橋ヒロムの名を出した。

「全員意識しているけど、直近でベルトを取られたワト。自分は本隊でもないし、マスター・ワトと仲間でもないので言いたいことを言わせてもらうと、タッグとかだったら隣りに来たパートナーのマネをやんわりしていて、いい言い方をしたら“誰にでも合わせられる”ということかもしれないけど、『それは本当にオマエなのか?』というようなことを多々感じる。ベルト云々おいといて、ぶっ飛ばしてやろうかな。(2年前に)トロフィーを取っているので間違いなく強いのはわかっているけど、いまのワトをぶっ倒す自信しかない」

 ヒロムに対しては、こう語った。

「トップと言われる立場の人が固まっている状態があるので、自分がそこを引きずり降ろしたらジュニアも面白いことになるし、それができるだけの自信がある。あと、高橋ヒロムにはヤングライオンの頃、真正面からぶつかって真正面から潰してくれた記憶もあるので、そこに対してのペイバックをしてやりたいね。高橋ヒロム、エル・デスペラード、石森太二が“3強”と言われているのも面白くないし、それを『面白くない、面白くない』と言うだけだったら誰でもできるけど、じっさいにいま思っている気持ちをぶつけて、証明してやる」

 史上最年少はあくまで結果を出せば自然とついてくるもので、藤田にとって“年齢”は関係ない。リング上は「強いヤツが上に行く」という信念のもと、日々闘っている。それを証明するためのスーパージュニアでもある。「万人受けしたいわけじゃないので、全員から認められたいとか微塵も思っていない。自分のやってきたスタイルでこのままいってやろう、それを証明してやろう、という気持ちですね」と語った。

 対岸のBブロックの選手については「言い出したらキリがない」と多くの選手を意識しているが、ジュニアタッグを奪われた借りを返す意味でも、YOHの名を挙げた。

「デビューしてからいままで、ちゃんとシングルで当たったことがない。ワトもぶっ飛ばして、YOHもぶっ飛ばせるチャンスがある。ベルトを取られた借りを返したい」

 当然、優勝の先にはIWGPジュニアのベルトも見据えている。

「もちろん目指すところは新日本のトップであるジュニアのシングルベルト。例年通りでいけばジュニアを取ったら6、7月にはチャレンジできる。ということは1、2カ月後にはチャンピオンになる可能性もある。でも、それを取ったからって終わりではないよね。先のことも考えていますけど、そこまで遠い未来でもない。AブロックでもBブロックでも自分が一番強いと思っているし、ぶっ飛ばしてやる。世代とか関係なく、強いヤツが強い」

 藤田は、スーパージュニア優勝で“己”を証明するつもりだ。

<週刊プロレス・奈良知之>

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