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2026-01-11

1月12日引退の世羅りさが最後の相手に鈴季すずを選んだ理由。心の病を患うも…「勝って、晴れ晴れした気持ちでリングを降ります」【週刊プロレス】

1月12日後楽園ホール大会で現役引退する世羅りさ

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女子プロレスラー、世羅りさ(34歳)が1月12日、東京・後楽園ホール大会で引退。14年の現役生活にピリオドを打つ。

2012年11月にアイスリボンでデビューした世羅は、同団体の最高峰王座ICE×∞を二度にわたって戴冠。デスマッチにも果敢に挑み、男子のトップレスラーを相手に血みどろの闘いを繰り広げることも。

だが、「プロレスでハッピー!」を掲げる団体カラーと世羅が求める闘いに隔たりが生じたこともあり、2021年末をもって退団。翌2022年よりフリーに転向し、デスマッチ&ハードコア女子ユニット「プロミネンス」を結成。同じタイミングでアイスを退団した鈴季すず、柊くるみ、夏実もち、藤田あかねとともにスターダムなど様々な団体にケンカを売り、業界を渡り歩いた。

そんな世羅が引退試合の相手に指名したのも、プロミネンス時代の後輩、鈴季すずだった。
2024年11・3スターダム大田区大会に来場した世羅は引退試合の相手にすずを指名
「最後、誰とかなって思ったら、やっぱりすずでした。自分でも絶対的な理由があるじゃないんですけど、でも、やっぱすずしかいないよなって引退を決めた時、思いました」

2018年12月31日にアイスリボンでデビューしたすずが、YouTubeに上がっていた世羅のデスマッチ動画を見て、ハッピーのリングを選んだのは知る人ぞ知る話。入団以降、すずは世羅を慕い、世羅はすずを妹のようにかわいがった。

“チリンチリン”時代のすずと世羅は二輪走(のちの百火涼乱)というタッグを組みトーナメントに出たことも。前述した2021年の大量離脱時に、世羅とすずは行動を共にし、“デスマッチ&ハードコア女子ユニット”プロミネンスを結成。その旗揚げ第2戦の2022年5・29新木場で両者にとって初の、そして待望のデスマッチシングル対決が実現。世羅が有刺鉄線竹刀で妹を打ち据えれば、すずは蛍光灯束で姉の頭部をブン殴る。血みどろの壮絶マッチは30分ドロー。すずは世羅越えを果たすべく、デスマッチ十番勝負をブチあげ、6・25新木場大会からスタートさせるのだが……2人の歯車は狂い始めたのもこの頃だった。
プロミネンス旗揚げ第2戦で実現した世羅とすずによる初のデスマッチシングル対決
自ら望んだ闘いとはいえ、毎大会デスマッチでメインを張り、男子のトップどころと壮絶な闘いを繰り広げたすず。すずをプロミネンスのスターにすべく、自らは一歩引いたスタンスを取った世羅。あふれる才能と負けん気を武器に熱狂バウトを連発したすずだったが、精神的疲弊は間違いなく大きかった。小さいながらプロミネンスという組織のトップに立ち、大会運営など裏方業務に世羅が奔走せざるを得なかった現実もある。結果、プロミネンス結成1周年の2023年4・24後楽園ですずはユニットを脱退した。

のちにすずはスターダムに移籍。2024年8月15日におこなわれたスターダム後楽園ホール大会5★STARGP公式戦で2人は1年3カ月ぶりの一騎打ち。ここでも世羅が勝利し、姉の意地を見せつけたが――その2日前、世羅に引退を決意せざるを得ない出来事が起きていた。

「試合中に呼吸ができなくなって、リングから逃げ出したんです」
2024年8月15日、スターダム後楽園でおこなわれた5★STAR GP公式戦。この時、世羅は心の病とも闘っていた
2024年8月13日、ディアナ川崎大会。世羅は美蘭とのタッグでWWWD選手権試合に臨んだが、前述の言葉通り、呼吸ができない症状にとらわれ、試合中にも関わらず、試合を放棄し、控室に戻ってしまった。結果、世羅がリングに戻ることはなく、試合はひとり残された美蘭のレフェリーストップ負け。じつは同年6月、そしてディアナ川崎大会の前日8・12スターダム宇都宮大会でも同様の症状に襲われていたという世羅。複数の病院を回り、告げられたのは「パニック障害ですねって」。

「自分は(心の病と)一切縁がない人間だと思ってました」と語る世羅。リングに上がる以上は「世羅りさってやっぱスゲーなって」思われる存在であり続けたい。周囲の人間にも迷惑はかけられない。激闘の積み重ねによる腰の負傷も深刻だった。症状が出るのは暑い夏の時期だけで、涼しくなれば「元気なんですよ」と語るが、それでも――世羅は引退を決めた。

そんなディアナ川崎大会から2日後、すずと久々に闘ったのも、たぶん運命だった。
2019年5月1日アイスリボン横浜ラジアントホールで実現した世羅とすずの初シングル
「すずには、すずにだけはカッコ悪いところ見せられないじゃないですか」。入場ゲートの前に立った時、ここから逃げ出したいと思う自分が間違いなくいた。それでも世羅はすずが待つリングに向かった。無我夢中で闘い、かつての妹分に勝利。結果、6戦4勝2分けというシングル戦績のまま、明日12日の引退試合で正真正銘、最後のすず戦を迎えることになった。

「アイスリボンにいた時から、可愛くてしょうがなかったです。妹みたいな存在だったのが、いつの間にか隣に立つぐらいに成長して。プロミネンス結成の時は頼もしくてしょうがなかった。スターダムに行ってからもずっとチェックしてました」

2人の歯車が狂いだした、プロミネンスのあの頃。当時のことを聞くと、「なんて言えばいんだろう。……難しいです」とあの世羅が言葉を濁すほど複雑な思いがある。

それでも「いまのすずを見ると、ユニットを創ってすごい楽しそうにやっていて。私たちができなかったことだし、いいことですよね。そんなユニットの長になったすずと思い切り闘いたい。最後なので。プロレスもういいや、やりきった!おなかいっぱい!っていうぐらいやりたいし、すずなら全部受けてくれるだろうと思うので。全部やり切って、最後勝って、晴れ晴れとした気持ちでリングを降りたいと思います」

プロミネンス時代のいきさつがあっただけに、世羅から引退試合の相手に指名されたすずは驚きを隠せなかった。だが、その一方で「嬉しい」という感情が芽生えたのも事実。だからこそ、「世羅りさってマジで根性とかいうレベルじゃないんですよ。レベチの忍耐力をお持ちだから。引退試合だからって、きっと簡単にあきらめたり、“思い出試合”みたいな感じには絶対しないと思う。本当にレスラー同士、拳で闘い合いたいなと。最後に立ってた方が勝ち。『お腹いっぱい、プロレス十分やりました』と世羅が思うような試合を私はやります」と“最後の姉妹対決”に向け、すずは意気込む。

世羅は自ら望んだかつての妹分との引退試合でどんなファイトを見せるのか。泣いても笑っても最後の闘い。2026年1月12日、後楽園ホール。世羅りさがラストマッチに臨む。
1・12後楽園の対戦カード
世羅りさ引退興行「蒼焔万丈」
★1月12日(月・祝)東京・後楽園ホール(18:00)
【対戦カード】
「世羅りさ引退興行 ~蒼焔万丈~」
★1月12日(月=祝)東京・後楽園ホール(18:00)
▼世羅りさ引退試合(60分1本勝負)◎世羅りさvs鈴季すず
▼ラストアジュレボ・3wayタッグマッチ(30分1本勝負)◎世羅りさ&雪妃真矢vs SAKI&ライディーン鋼vs大空ちえ&美蘭
▼15分1本勝負◎柊くるみvs HANAKO
▼30分1本勝負◎佐々木貴&網倉理奈&櫻井裕子vs青木いつ希&尾﨑妹加&日高郁人
▼20分1本勝負◎葉月&狐伯vs小林香萌&関口翔
▼時間差入場バトルロイヤル◎ウナギ・サヤカ、救世忍者乱丸、咲蘭、シン・広田・葛飾さくら、高瀬みゆき、チェリー、夏すみれ、夏実もち、ハイビスカスみぃ、VENY、真白優希、松本都、米山香織、X ※順不同
【入場料金】
正面東西最前列席/完売
北側最前列席(特典付) /2万円
RS席/1万円
追加RS席/9000円
指定席A/8000円
指定席B/7000円
指定席C/6000円
北側指定席/5000円
指定席D/完売
※当日は各席種1000円増し
【前売り券】
プロミネンス公式ショップ
http://promishop.official.ec ※前売り券の受付は11日午後9時まで。
1・12後楽園の大会ポスター

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