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2020-07-31

【相撲編集部が選ぶ7月場所13日目の一番】 照ノ富士(寄り切り)朝乃山

前日、2敗目を喫した後、右ヒザを痛がる素振りを見せていた白鵬が、右ヒザ半月板損傷のため休場となった。診断書には2週間の加療を要するとあるが、その程度のケガならどの力士もしている。自力優勝の可能性も残っており、昔の横綱なら休まなかった。

※写真上=結びの一番で朝乃山を破り1敗を堅守、復活優勝に大きく前進した照ノ富士
写真:月刊相撲

 白鵬の休場で結びを任されたのが新大関の朝乃山。1敗で並ぶ照ノ富士との大一番を迎えた。朝乃山は照ノ富士が落ちていくときに上がってきており、これが初顔の一番となる。巡業などで稽古はしたことがあり、「大きくて重くて、なかなか押せないイメージがある」と語っていた。

 ともに右四つの両者、軍配が返り胸からぶつかり合うとすぐに右四つに組み合った。先に左上手を取ったのは朝乃山。照ノ富士もすぐに上手をつかむと引き付けて圧力をかけ、朝乃山が掬い投げにきたところでヒジをうまく使って朝乃山の上手を切る。さらに前に出る照ノ富士の圧力をかわそうと、朝乃山は苦し紛れの右下手投げを放つが、これで胸が合う形に。上体が伸びた朝乃山は残り腰がなく土俵を割った。

 単独トップに立ち、復活優勝に大きく前進した照ノ富士は、「上手を取って攻めることができてよかった。一生懸命やってきてよかった。あと2日、やってきたことを信じてやるだけ。頑張ります」と興奮気味。

 敗れた朝乃山は意気消沈。NHKの取材にも無言を貫き、リモート取材も拒否して国技館をあとにした。

 照ノ富士の14日目の相手は正代に決定。千秋楽は御嶽海が予想される。朝乃山と両関脇を破っての優勝なら文句のつけようがない。ここで星を整理しておくと、1敗に照ノ富士、2敗に朝乃山、3敗に正代、御嶽海。3敗までは優勝の可能性が残っている。

文=山口亜土

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