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2019-12-31

[野球食]エネルギー密度をアップカシューナッツともち麦ごはん

海老久美子(管理栄養士、公認スポーツ栄養士)

※写真上=カシューナッツともち麦ごはん
写真◎ベースボール・クリニック

◎主食

<材 料>(球児4人前)
・米……1.25合
・もち麦……0.25合
・カシューナッツ……50g
・塩……少々
・乾燥パセリ……好みで

<作り方> 約15分(炊飯時間含まず)
1)カシューナッツをフライパンで炒る。
2)研いだ米ともち麦を合わせ通常の水加減にし、(1)を加え、塩少々を加えてザッと混ぜて炊く。
3)器に盛り、好みで乾燥パセリを散らす。

<Point!>
! 塩加減はカシューナッツの塩分に合わせて。
! カシューナッツのほかにピーナッツや煎り大豆でもおいしい。
! もち麦がなければ、白米のみや、キビや黒米等を加えてもOK。

<栄養量>(球児1人分=米1.5合)
エネルギー  1155kcal
タンパク質  25.3g
脂質     27.7g
糖質     99.7g
カルシウム  42.8mg
マグネシウム 184.5mg
鉄      4.7g
ビタミンA  21.9μg
ビタミンE  0.63mg
ビタミンB1  0.47mg
ビタミンB2  0.16mg
ビタミンB6  0.49mg
ビタミンC  2.4mg
食物繊維   8.54g

<Pickup栄養素>
ビタミンB6
タンパク質の代謝に不可欠。タンパク質の摂取が多いほどビタミンB6の必要量も増える。脂質の代謝もサポートし、肝臓に脂肪が蓄積するのをセーブする。

ナッツの脂質がビタミンの吸収を助ける

 体づくりのカギを握るタンパク質は、消費エネルギーと摂取エネルギーのバランスを考えた上で、最適な量とタイミングで摂ることが重要だ。

 ポピュラーなタンパク質源は、肉や魚、乳製品、卵などだが、今回はタンパク質+エネルギー密度を高めた主食の強化レシピを紹介する。

 ポイントはナッツ類。ナッツ類はタンパク質とともに脂質も多く含む。
 この脂質は、植物性の中でも一価不飽和脂肪酸が多いのが特徴。動物性の飽和脂肪酸に比べ酸化されにくく、脂肪として蓄積されにくい性質を持っている。さらに、ナッツ類に一緒に含まれる脂溶性ビタミンのEやAの吸収を良くする、一石二鳥のメリットもある。

 ナッツ類で料理との相性が良いのがカシューナッツ。炒ったあとに炊き込むことで、香ばしさがより際立つ。
 お米に加えたもち麦は、食物繊維が豊富。その名のとおりモチモチ感や、プチプチ感を感じられる食感も楽しい。

 全体の栄養価を見ても、鉄やマグネシウムをはじめとしたミネラル類、ビタミンB1、B6が豊富。
体づくりをサポートする、強化された主食となっている。

《PROFILE》
海老久美子(えび・くみこ)
立命館大スポーツ健康科学部副学部長。管理栄養士、公認スポーツ栄養士、博士(栄養学)。全日本野球協会医科学部会委員。JOC強化スタッフ。ジュニアからトップまで、各種目のアスリートへの実践的な栄養教育・サポートを実施。著書に『野球食』『野球食Jr.』『野球食のレシピ 』『女子部活食』(小社刊)などがある。

文責◎ベースボール・クリニック

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