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2019-12-18

[野球食]ごちそう感の高いタンパク質源ローストビーフ

海老久美子(管理栄養士、公認スポーツ栄養士)

※写真上=ローストビーフ
写真◎ベースボール・クリニック

◎主菜

<材 料>(球児4人前)
・牛もも肉(かたまり)……500g
・塩、こしょう……適量
・オリーブオイル……適量
・にんにくスライス……一片分
・付け合わせ野菜……適量
(固めに茹でたオクラ・アスパラガスなど)
・わさびじょうゆ……適量

<作り方> 約60分
1)肉を室温に戻し、表面の水気をしっかりキッチンペーパーで取り、塩、こしょうをする。
2)フライパンにオリーブオイルとにんにくを入れ加熱し、香りが出てきたら強火にして(1)を入れ、表面に焦げ目を付けるように焼く。
3)保存袋に(2)を入れ、空気をしっかり抜きながら封をする。
4)炊飯器にお湯を3合のメモリまで入れ、(3)を入れて、炊飯器の保温で35~40分加熱する。
5)取り出した肉をしっかり冷ましてからスライスする。

<Point!>
! 肉は一度室温に戻してから焼く。
! 保存袋の空気をしっかり抜く。
! 炊飯器の「保温」モードで加熱。炊飯と間違えないように。

<栄養量>(球児1人分)※野菜は含まず
エネルギー 310kcal
タンパク質 25.1g
脂質    20.1g
糖質    1.9g
カルシウム 7.1mg
鉄     1.2mg
亜鉛    5.3mg
ビタミンA 0.5μg
ビタミンB1 0.12mg
ビタミンB2 0.27mg
ビタミンC 1.3mg

<Pickup栄養素>
亜鉛
球児の発育を促し、感染症の予防、傷の回復を早める役割を持つミネラル。魚介類にも多いが、牛肉ではタンパク質や鉄と同様に、脂肪の少ない赤身肉に多く含まれる。

野菜と一緒に食べて栄養価アップ

 球児が好きな牛肉は、だいたいカルビだったりロースだったり、脂肪がそれなりに入っている部位。確かに、タンパク質は脂肪と一緒になるとうまみが増すが、食べ盛りの球児においてはその脂肪の多さが心配になる。

 赤身のもも肉は、脂肪が少ない分、焼くと硬くなるため人気はいま一つ。
 しかし、高タンパクで、赤い色からも分かるように鉄分も多く、亜鉛やミネラルなども含んでおり、球児にはおすすめの部位なのだ。

 赤身肉をおいしく食べてもらえるメニューが、ローストビーフ。
 ごちそう感があるだけでなく、スライスしてほかの具とパンに挟んでサンドイッチにしたり、スプラウトなどの野菜をまいたり、肉だけにならずに食べられる。

 オーブンを使うなど手間がかかるイメージだが、家庭や寮にあるフライパンと炊飯器で失敗なしに作ることができる。
 味つけはシンプルなわさびじょうゆにしたが、サラダ感覚でドレッシングをかけたり、フライパンでひと手間かけて作ったソースをかけてもOK。いずれにしても付け合わせの野菜をお忘れなく。

《PROFILE》
海老久美子(えび・くみこ)
立命館大スポーツ健康科学部副学部長。管理栄養士、公認スポーツ栄養士、博士(栄養学)。全日本野球協会医科学部会委員。JOC強化スタッフ。ジュニアからトップまで、各種目のアスリートへの実践的な栄養教育・サポートを実施。著書に『野球食』『野球食Jr.』『野球食のレシピ 』『女子部活食』(小社刊)などがある。

文責◎ベースボール・クリニック

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