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2020-04-20

【陸上】S・コー世界陸連会長「この苦境を乗り越えられれば」

「日本はここ5、6年、世界で最も進化を遂げた国」

 コー会長は、オリンピックが延期となったことで同大会への参加標準記録の有効期限を今年4月5日でいったん凍結し、12月1日より再開させる決定を世界陸連が下した件(20年12月1日から21年6月29日までを新たに有効とした)にも触れ、大会開催が当面見込めないことや選手の安全や公平性の担保を凍結の理由とした (凍結期間はあるものの19年1月から今年4月5日まで、そして新たに設けられる有効期限を併せると、従来の期間よりも4か月ほど長くなる旨を途中、世界陸連の広報担当者が補足した) 。

陸上競技専門媒体に対して、テレカンファレンスを行ったコー会長
撮影/永塚和志

 また現状では練習すらまともにできない現役選手たちに対しては、いつ競技が再開してもいいように「できるだけ身体の状態を保っていてほしい」とメッセージを送る一方で、選手たちが自宅のバルコニーでエクササイズする姿等を、SNSを通じて発信し、多くの人々を元気づけていることに「感銘を受けている」とした。

 昨今の混乱の中、選手が先行きに不安を抱える状況にいる点では、1980年のモスクワ・オリンピックへの参加が不透明だった自身の経験にも重なる部分があるが(編注/イギリス政府の意に反して同国オリンピック委員会は選手を派遣。コー氏は1500mで金、800mで銀メダルを獲得した)、練習もままならず家族の中でも感染の可能性があると、今置かれる選手たちの立場を慮った。

 コー会長は日本の陸上界についても「ここ5、6年、世界で最も進化を遂げた国」のひとつとして言及。自国でのオリンピック出場は選手たちの力になる一方で、重圧になる場合もあるとしたが、「日本の連盟やコーチ陣はとても優秀でマネジメントができる」とし「自国の期待を力へと昇華させることができるのではないか」と話した。

※インタビュー全文は、陸上競技マガジン6月号(5月14日発売)にて掲載予定。

構成/永塚和志

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