18日(日本時間19日)、イギリス・グラスゴーで行われる『WBSS準決勝』WBA世界バンタム級チャンピオン井上尚弥(26歳=大橋)vs.IBF同級王者エマヌエル・ロドリゲス(26歳=プエルトリコ)戦。ロドリゲス陣営の“紳士らしからぬ”行為が話題となっているが、大橋秀行会長は、「試合ではあくまでも冷静にいきたい」と平常心で戦うことを強調した。

上写真=大橋会長(右)は、昨年の“経験”を生かしたいと語った(写真は2月の発表会見) 

 14日、グラスゴー市内で行われた公開練習。ロドリゲスのシャドーボクシングをスマートフォンで撮影していた井上真吾トレーナーに対し、ロドリゲスのウィリアム・クルス・トレーナーが「撮影をやめろ!」と突き飛ばした件について、大橋会長は大会主催のWBSSに厳重抗議した。

公開練習でシャドーボクシングを披露したロドリゲス Photo/Getty Images

「ボクシングは戦いだけれども、リング外では紳士であるべき。それにここは“紳士の国”イギリスじゃないか、と」

 公開練習はその名のとおり、オープンなもの。メディア向けだけでなく、両陣営にも開かれた公式の場である。ここでの暴力まがいの行為というのは到底納得できない──。

「WBSSのほうもこれを問題視してくれて、『次に同様の行為があった場合は、彼はセコンドから外れることになる』という回答がありました」

井上尚弥も軽いシャドーボクシングを見せた Photo/Getty Images

 公開練習の場では、当然、手の内を隠したり、軽い動きに終始したりするもの。だが、クルス・トレーナーのようにテンションが振り切ってしまうというのは、よほどナーバスになっているとしか思えない。と同時に、大橋会長は「“挑発”の意味合いもあるんじゃないか」と冷静に分析している。

 そこで思い出されるのが昨年5月のジェイミー・マクドネル(イギリス)戦。計量に1時間も遅れてきた上に謝罪のひと言もなく、さらに大挙したサポーターが大騒ぎしたりと、井上陣営を苛立たせる行為が多々あった。

「イラッとしましたよ」とつぶやいた井上尚弥は、猛然とラッシュを仕掛けて1ラウンド1分52秒でマクドネルを仕留めてしまったが、本人、そして大橋会長も「怒りもプラスして、力みが目立った」と認めている。今回は、それはそれ、これはこれ、としっかりと割り切ってリングに臨みたい、と大橋会長は陣営をまとめる心づもりだ。

「あのときのことを“経験”として、冷静にいきたいですね」

“試合が決まってからが戦い”とは、ボクシングの格言だが、リングに上がるまでの細かい一つひとつに戦いがある、とあらためて思い知らされる出来事だった。

15日の記者会見。フェイスオフで15秒ほど目線を合わせた両者だが、先にやめたのはロドリゲス。井上の“視線の圧”に耐え切れないといった様子だった

文&写真_本間 暁
Text & Photos by Akira Homma


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