12日、エディオンアリーナ大阪第1競技場でWBC世界ライトフライ級タイトルマッチが行われ、王者の拳四朗(BMB)が4ラウンド1分TKO勝ちで同級1位のジョナサン・タコニン(フィリピン)を下し、世界王者として初めての地元関西凱旋試合を飾った。

写真上=この日も拳四朗はスタートから左で主導権を握った

拳四朗は16戦全勝9KO。ライトフライ級で6度の防衛は、渡嘉敷勝男を抜き、田口良一(ワタナベ)に次ぐ単独3位になる。拳四朗は「まだ半分。スタート地点に立ったぐらいに思っているので、まだまだ強くなります」と、あらためて日本記録でもある具志堅用高の13を追いかけると宣言。数字だけでなく、その中身も求め、統一戦も視野に強者との対戦を望んだ。

「(タコニンは)最初から捨て身の感じで来て、プレッシャーに押されたところがあった。それでも冷静でいようとしたけど、力が入ってしまったし、強かったですね」

スタートこそ、ステップとジャブでいつものように「打たせずに打つ」自分の距離の構築を図った拳四朗だが、3度目の世界挑戦に懸ける32歳のサウスポー、タコニンの勢いを止めようと、早々に右ストレートを打ち込み、入り際を右アッパーで狙いだす。

2回に入ると攻撃力が売りの挑戦者はプレスを強め、潜り込むように王者に襲いかかる。拳四朗は右アッパーをボディに、上にと強気に迎え撃った。これは参謀役の三迫ジム・加藤健太トレーナーと準備してきた対策のひとつではあったが「使わないで終われるんだったら、そのほうがいい」(加藤トレーナー)と、あくまで距離が近くなり、流れが悪くなったときのためのプランB。その分、被弾も目につく展開となった。

だが、この強気と実行力もまた拳四朗の強み。3回には右主体の攻めで追い込んだところで、バッティングでタコニンが眉間の右寄りをカット。WBCルールにより、傷のない拳四朗にペナルティーの減点1が科されたが、大勢に影響はなかった。

「3回には(タコニンの動き、集中力に)ゆるみが見えてきた」(加藤トレーナー)

画像: 右ショート一撃でフィニッシュ

右ショート一撃でフィニッシュ

迎えた4回、拳四朗が左をかわしざまの右ショートを効かせ、タコニンが倒れ込む。立ち上がったものの、レフェリーのフランク・ガルサ(アメリカ)は続行を許さず。タコニンは試合後、不満を訴えたが、はっきりと戦う意志表示を見せておらず、判断は妥当だろう。

画像: 試合後、控室で待っていたのはWBAスーパー王者の京口紘人(写真/船橋真二郎)

試合後、控室で待っていたのはWBAスーパー王者の京口紘人(写真/船橋真二郎)

リングサイドで見守っていたWBA世界ライトフライ級スーパー王者の京口紘人(ワタナベ)は「(拳四朗は)今までの安定のボクシングと違い、KOを意識したボクシング。今日みたいなボクシングやったら、自分と噛み合うと思うし、やりやすい。(王座統一戦への)気持ちは高まってきました」と語ると、控え室に戻ってきた拳四朗を「おめでとうございます!」と握手で祝福した。

先月は、京口の防衛戦を観戦した拳四朗が「勝てる」と自信のコメント。一方でSNSを通じ、「おめでとう」とメッセージを送ってきたという拳四朗に「直接、おめでとうと言おうかなと思って(笑)」。京口が控え室を去ったあと、「やりやすい」とコメントしたことを伝え聞いた拳四朗は「なにー!?」と笑顔でおどけ、統一戦については「盛り上がると思うし、やりたい」と応じた。

ふたりはアマチュア時代に4戦し、2学年上の拳四朗が3勝1敗の因縁もある。記者から「(拳四朗に)挑戦」のフレーズが出ると、京口は言下にこれを訂正。「(王者同士)どちらが強いか、決める戦い」と、13戦全勝9KOを誇る2階級制覇王者のプライドを見せた。

文◎船橋真二郎
写真◎早浪章弘、毛受亮介

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