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2020-10-24

【陸上】男子走高跳は新たな勢力図に。藤田渓太郎が日本歴代8位タイの2m28!

地元で会心のジャンプを見せ優勝を果たした藤田 写真/早浪章弘(陸上競技マガジン)

10月24日、大阪・ヤンマースタジアム長居で行われた第7回木南道孝記念大会。男子走高跳では、社会人1年目の藤田渓太郎(佐竹食品AC)が自己ベストを3cm更新する日本歴代8位タイの2m28で優勝した。

男子走幅跳は、今年の全日本実業団選手権、日本選手権と、それぞれ2m31、2m30の好記録で制した真野友博(九電工)に注目が集まったが、2m25を1回で成功した藤田に対し、真野は1回目を失敗。真野は2回目をパスし2m28に挑んだが、この高さも失敗し、勝負は決した。

一方、藤田は自己記録となる2m28の3回目に会心のジャンプを見せた。

「助走もリズムよくはまって、浮いたと思った」と見事に成功し、優勝に花を添えた。

「社会人1年目なのに、新型コロナ禍で会社をアピールできなかった。日本選手権も下位入賞(2m20で8位)だったし。ここまでは良いシーズンじゃなかったけど、シーズン最後に良いところを見せることができた」と喜びを口にした。

藤田は関大北陽高(大阪)3年時(2015年)にインターハイ、国体(少年共通)を制した実績を持つ。立命館大に進学した後は、タイトルにはなかなか恵まれなかったものの、高校1年時から毎年自己記録を更新し続けており(大学1年時のみ前年とタイ記録)、着実に成長を続けた。

社会人1年目の今季は、試合自体が少なかった影響もあり、ここまでは自己記録を塗り替えられずにいた。

転機は1週間前の田島記念にあった。この試合は2m15で4位と不本意な結果に終わったが、助走のスピードを出すために歩数を7歩から9歩に伸ばして臨んでいた。新たな試みは、いきなりはうまくいかなかったが、その反省点を今回に生かし、見事にタイトルを手にした。

優勝を決めた後に臨んだ2m31は「2m31を跳んでもいないのに、(東京五輪参加標準記録の)2m33はいけるかな、と考えてしまった…。欲が出た」と失敗に終わった。だが、「9歩の助走で高さが出ているので、踏切位置をずらせば、大きな放物線を描ける。2m33を跳べると思う」と確かな手応えをつかんだ。

これまで日本の男子走高跳は、衛藤昂(味の素AGF)と戸邉直人(JAL)が牽引してきたが、今季、真野や藤田が台頭し、勢力図が変わりつつある。

東京五輪がある2021年の戦いは、ますます激化しそうだ。

陸上競技マガジン 11月号 | BBMスポーツ | ベースボール・マガジン社

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文/和田悟志

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