3月28日に閉幕した、フィギュアスケートの世界選手権。その取材は緊張の連続でした。
新型コロナウィルスの感染拡大で、昨年の大会は直前で中止に。今シーズン、私は全日本選手権にも撮影に行けなかったこともあり、この世界選手権には何とか行きたかった。
しかし世界の感染状況は変わらない。
本当に行われるのか?また直前で中止にならないか?そもそもスウェーデンに入国できるのか?そんなところから始まりました。(文・写真◎毛受亮介)
関西国際空港
そもそも現在スウェーデンは、第三国からの入国が原則禁止の国です。
例外的に認められるためには、報道関係者であることを示す書類や、入国前48時間以内のPCR検査陰性証明、乗り継ぎのオランダ(EU入境の審査がある)で示すべき書類、大使館やら厚生労働省への問い合わせなど…途中で心が折れそうになりました。
しかし「フィギュアスケートを撮りたい、羽生結弦を撮りたい」の気持ちで乗り越えました。
だけどここまでやっても、「入国の保証はできない」と大使館には言われていました。「最終的には、入国管理の審査官が判断する」と。
目の前に続いているのは閑散とする関西空港の出発ロビー。この日の国際線出発は2便だけ。カウンターもほとんど電気が点いていません。
2021年3月15日=関西国際空港 SONY ILCE-9M2 24-70mm f3.2 1/1600秒 ISO 4000
アムステルダム行きの機内
チェックイン3時間前にカウンターへ来るよう、指示されていました。本当に出国できるのか、入国する資格があるのか、航空会社の地上係員に質問責めにされ、ようやくチケット発券。
「入国できなくても責任は取れません」とここでも念を押されました。抗原検査をして陰性が証明され、やっと出国。もう戻れません。経由地のアムステルダム行きの機内には、私を含め7人しか搭乗客はいませんでした。
2021年3月15日 SONY ILCE-9M2 24-70mm f2.8 1/640秒 ISO 3200
部屋から見るエリクソン・グローブ
トランジットでのアムステルダム・EU入境審査。「どこ行くの?」「何しに?」の質問ふたつ。陰性証明も見ないで10秒で通過!
次はスウェーデン入国審査。パスポートと陰性証明を見せて、10秒かからず通過。今までの苦労と心配は何だったんだ⁈
しかし無事晴れてスウェーデン入国しました!この日からホテルで一週間の自主隔離に入ります。窓から世界選手権会場のエリクソン・グローブを毎日眺めながら…。
2021年3月18日 =ストックホルム SONY ILCE-9M2 24-70mm f5 1/5000秒 ISO 4000
ストックホルム地下鉄の車内
取材パスをもらいに行く前、48時間以内のPCR検査の陰性証明が必要なため、中央駅近くの検査所へ地下鉄で向かいました。地下鉄やバスなどの公共交通機関でのマスク着用が推奨されているそうですが、見た感じその着用率は高くなかったです。
2021年3月19日=ストックホルム SONY ILCE-9M2 24-70mm f5.6 1/50秒 ISO 1600
次ページ >