close

2021-07-21

【陸上】質の高いトレーニングのために女性アスリートとしてからだと深く対話する【寺田明日香連載#7】

東京五輪女子100mH代表の寺田明日香(ジャパンクリエイト)

全ての画像を見る


薬は正しい知識があれば使ってもいいもの

 私の場合、生理痛がひどくて練習ができなくなることや無月経になるときもあったので、ハイテクACに所属していた頃から婦人科の医師に相談して、超低容量ピルを処方してもらっていました。

 「薬は悪いもの」と思われがちですが、耐えられないほどの症状が出る場合、正しい知識を持って正しく使えば、薬は使用してもよいものだと思います。

 ピル以外にも、鎮痛剤を服用する方法や、IUSという子宮内に挿入する黄体ホルモンを使用する方法もあり、私は経産婦ということもあってIUSを選択しました。

 女性アスリートは圧倒的に男性アスリートより貧血を起こしやすい傾向にあります。

 貧血もエネルギー不足と月経による多量の出血との関連があるので、貧血予防のためにも、女性アスリートの皆さんはぜひ、自分のからだと深く対話してみてほしいと思います。

 結果を追い求めるばかりに自分のからだにを打ち続けると、いつかほころびが出てきてしまいますし、自分のからだが健康であるからこそ、質の高いトレーニングをして結果がついてくるものだと思います。

 予防できるケガや疾患に対しての知識を高め、存分に陸上競技を楽しんでもらえることを願っています。

文◎寺田明日香 写真◎BBM

Profile
てらだ・あすか
1990年1月14日、北海道生まれ。柏丘中→恵庭北高→北海道ハイテクAC(以上、北海道)→パソナグループ→ジャパンクリエイト。小学生時代に全国で活躍し、中学では伸び悩むも、高校では100mHでインターハイ3連覇、3年時は100m・4×100mRとの三冠。2008年の日本選手権では100mHで史上最年少優勝を飾り、10年まで3連覇。09年のベルリン世界選手権に出場。13年に引退し、大学進学・結婚・出産を経て、16年8月に7人制ラグビー転向。18年12月、陸上競技に復帰し、19年9月に12秒97(+1.2)を出し、19年ぶりに日本記録を更新。ドーハ世界選手権に出場。東京五輪イヤーの今季、4月に12秒96(+1.6)、6月に12秒87(+0.6)と立て続けに日本記録を更新。11年ぶりに日本選手権優勝。東京オリンピックでは決勝進出を目指す。

文◎寺田明日香 写真◎BBM

PICK UP注目の記事

PICK UP注目の記事



RELATED関連する記事