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2021-07-23

【陸上】産後半年の10mダッシュで市民ランナーの夫にまさかの完敗。でも戻す方法はある!【寺田明日香連載#9】

東京五輪女子100mH代表の寺田明日香(ジャパンクリエイト)



出産のダメージに驚き。でも戻す方法はある!

 さて、産後半年の頃、イベントで10mダッシュをする機会があり、夫やイベントのスタッフの方々と勝負をしました。

 産後とはいえ、まさか負けるわけがないとタカをくくっていた私でしたが、結果はあっけなく惨敗。

 身体のコントロールが利かずに力が入らないほど軽く、自分では一生懸命速く動かしているはずなのに、映像で見るとスローモーションのようでした。

 まさか、市民ランナーの夫にすら負けるなんて……。「あぁ、私はもう、速く走れないんだ」と、かなりショックを受けたことを覚えています。

 選手をしていた頃は、自分の身体のコントロールができなくなる経験はほとんどなかったので、出産って想像以上にすごいダメージを受けるものなのだと、驚きが大きかったです。

 ただ、そんな経験をしていても、しっかりと身体をつくり直すトレーニングができれば、選手に戻ることは可能なのです。

 「難しい道を選んだとしても、やり方はきっとある」

 再び陸上選手に戻ってから、行き詰まったときにこう考えられるようになったのも、妊娠・出産、そして産後のショッキングな経験があるからこそだと思っています。

文◎寺田明日香 写真◎BBM

Profile
てらだ・あすか
1990年1月14日、北海道生まれ。柏丘中→恵庭北高→北海道ハイテクAC(以上、北海道)→パソナグループ→ジャパンクリエイト。小学生時代に全国で活躍し、中学では伸び悩むも、高校では100mHでインターハイ3連覇、3年時は100m・4×100mRとの三冠。2008年の日本選手権では100mHで史上最年少優勝を飾り、10年まで3連覇。09年のベルリン世界選手権に出場。13年に引退し、大学進学・結婚・出産を経て、16年8月に7人制ラグビー転向。18年12月、陸上競技に復帰し、19年9月に12秒97(+1.2)を出し、19年ぶりに日本記録を更新。ドーハ世界選手権に出場。東京五輪イヤーの今季、4月に12秒96(+1.6)、6月に12秒87(+0.6)と立て続けに日本記録を更新。11年ぶりに日本選手権優勝。東京オリンピックでは決勝進出を目指す。

文◎寺田明日香 写真◎BBM

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