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2021-07-29

【柔道】「最後の寝技は狙っていました」濵田尚里、世界最高峰の寝技で圧勝。堂々の金メダル獲得

大きく進化した立ち技、そして超一級品の寝技で最高の色のメダルを手にした濵田尚里(写真/GettyImages)

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女子78kg級

濵田 尚里[自衛隊体育学校]

優勝

    柔道日本女子代表最年長の30歳。キャリアの円熟期に初めて五輪の畳に上がった濵田。いつも通り冷静沈着な表情で初戦に臨んだ。パカット(ポーランド)の内股や一本背負投を落ち着いてさばき、世界最高峰の寝技で主導権を握る。2分4秒、隅落で「技あり」を先取し、直後の寝技では逃げられたものの、間髪入れず横四方固。合わせ技「一本」で上々のスタートを切った。

 続く3回戦では、バビンツェワ(ロシア・オリンピック委員会)を支釣込足で崩し、巴投「技あり」以降の滑らかな流れから送襟絞で参ったを強いて「一本」。そして準決勝では、今年の世界女王・ワグナー(ドイツ)に十字固「一本」で快勝。立ち技から寝技へのスピーディーな移行が光り、危なげなく決勝に駒を進めた。

 ラストマッチの相手は、最大のライバルであるマロンガ(フランス)。長期戦が予想されたが、フィナーレは驚くほど早く訪れた。パワーを前面に押し出すマロンガを慌てずに倒し、全力で足を抜いて抑え込む。1分9秒、崩上四方固で一本勝ちを収めた。マロンガに歩み寄り、ほんの少しだけ表情を緩めた濵田。畳を降り、塚田真希コーチと抱き合って笑顔を弾けさせた。そしてインタビュー開始の数秒後、言葉に詰まると頬に感涙が伝った。

◎濵田尚里のコメント

「絶対に金メダルを獲りたいと思ってやってきたので、優勝できて良かったです。一戦一戦、集中して戦いました。今日は寝技で勝ち上がれて良かった。マロンガ選手にはいつもやられていたので対策して、得意の寝技で勝てて良かったです。絶対に負けないと思って戦い、最後の寝技は狙っていました。他の国際大会と同じ気持ちで試合には臨みましたが、金メダルを(表彰式で)もらったときは特別な気持ちになりました」

強敵のマロンガを得意の寝技に持ち込んで撃破し、頂点を極めた濵田尚里(写真/GettyImages)
強敵のマロンガを得意の寝技に持ち込んで撃破し、頂点を極めた濵田尚里(写真/GettyImages)


◎濵田尚里/東京五輪全成績
2回戦 ○合   技△ パカット(ポーランド)
3回戦 ○送 襟 絞△ バビンツェワ(ロシア・オリンピック委員会)
準決勝 ○十 字 固△ ワグナー(ドイツ)
決 勝 ○崩上四方固△ マロンガ(フランス)
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