男子100kg級
ウルフ アロン[了徳寺大学職員]
優勝 オリンピックの1年延期で手術した右ヒザの不安も解消、万全の状態でオリンピックの舞台に臨んだウルフ。
初戦はキレのある浮技で一本勝ちし、続く3回戦も得意の大内刈でパルチック(イスラエル)を畳に沈めた。
迎えた準決勝、第1シードのリパテリアニ(ジョージア)にも臆することなく前に出て、2分41秒、相手が背中を持って接近戦に来たところを逆に得意の大内刈で切り返し「技あり」。そのポイントを守り切って決勝へコマを進めた。
決勝の相手は、ウルフが最も警戒していたチョ・グハム(韓国)。チョの得意技の一本背負投を徹底的に対策しており、ほぼ完ぺきに封じ込めた。そして自信を持つスタミナで戦い抜き、最後は延長戦5分35秒、組み際の大内刈「一本」で勝負を決めた。
全日本選手権、世界選手権、五輪の“3冠”を達成したのはウルフで8人目。
◎ウルフ アロンのコメント「練習量という部分だけは誰にも負けない自信があったので、接戦になればなるほど僕自身の持ち味が出てくると信じて、自分自身を信じて戦いました。子どもの頃からたくさんの大会をここでやってきて、自分自身の目標だった東京オリンピックをここで優勝することができて、とても感慨深いです。また支えてくれた家族、付き人、応援してくれたすべての人に感謝を伝えたいです。井上先生が獲ってから20年間金メダルがない階級だったので、僕自身が取り戻してやろうという気持ちで戦いました。まだ実感はないんですけど、最高です」
最も警戒していたチョ(韓国)の一本背負投を完全に封じ、みごと優勝を果たしたウルフ アロン(写真/GettyImages)◎ウルフ アロン/東京五輪全戦績2回戦 ○浮 技△ ハラモフ(ウズベキスタン)
3回戦 ○大 内 刈△ パルチック(イスラエル)
準決勝 ○(技あり)△ リパテリアニ(ジョージア)
決 勝G○大 内 刈△ チョ・グハン(韓国)