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2021-07-31

【東京五輪・陸上】アスリートの声②:伊藤達彦「日本のトップを取って喜んでちゃいけないなと思いました」

学生時代からしのぎを削ってきた相澤(右)と伊藤にとっては世界の壁を体感するレースに 撮影:毛受亮介(JMPA)

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さまざまな思いを胸にオリンピックの舞台に立ったアスリートたち。戦い終えて何を感じ、何を思ったのか。ミックスゾーン(取材エリア)で印象に残った言葉を紹介する。今回は学生時代からしのぎを削り合い、共に五輪代表に上り詰めた男子10000mの相澤晃と伊藤達彦。

 相澤 晃(旭化成)
男子10000m28分18秒37/17位

「自分にとってはそれほど暑くは感じなかったのでペースが上がるかなと思ったのですが、遅い展開になって。思い描いていた通り、7000mまでは粘ることはできたのですが、その後は脚が止まってしまった。走っている間は感じなかったのですが、レース後の発汗量が多かったので、暑かったのかなと。ペースの変化に惑わされないよう、一定の位置でキープするようにして、自分が前に出たところもあったのですが、気づいたら(列の)後方にいた感じで。電光掲示板で自分の位置を確認できましたが、そこから上げていく余裕はなかったです。今後、日本を背負うためにももっと考えて陸上に向き合いたいと思います。
 当初はパリ五輪はマラソンでのメダル獲得が目標だったのですが、まだまだ10000mでやり残したこともあるので、自分と向き合って何で勝負するかを考えていきたいです。
 オリンピックは自分が思っていた以上に大きなものでした。自分のことを支えていただいた方々の応援も大きかったです」

 男子10000m決勝でアフリカ勢との地力差を肌で感じたほろ苦いオリンピックデビューに。だが、経験することでしか得られない世界との差を体感したことで、前を向いていた。


伊藤達彦(Honda)
男子10000m29分01秒31/22位

「世界との差を痛感しましたし、日本のトップを取って喜んでちゃいけないなと思いました。やはり練習から小さなことからしっかり行い、日本人に勝つだけじゃなく、世界を見据えて取り組まなければと思いました。
 思った以上に暑いなか、ペースの上げ下げがあって、そのなかでも前に出たりはしたのですが、離されては追いついたりするなどでうまく走れませんでした。
 また一から作り直して来年はもう1回10000mで勝負できるようにしたいと思います」

 序盤は隊列の前方に位置しながら中盤でのペースの上げ下げにより脚の体力を奪われ、5000m以降で一気にペースダウン。しかし、その後もあきらめずに最後まで力を振り絞り、ホームストレートではラストスパートも見せ、意地を見せた。

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