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2021-11-13

【NFL】ドルフィンズ「ディフェンス祭り」でレイブンズにアップセット

◇ドルフィンズーレイブンズ◆ レイブンズQBジャクソンにプレッシャーをかけるドルフィンズDEオグバー=photo by Geety Images

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 米プロフットボール・NFLは、現地11月11日(日本時間12日)、フロリダ州マイアミで第10週のサーズデーナイトゲームがあり、2勝7敗のマイアミ・ドルフィンズと6勝2敗のボルティモア・レイブンズが対戦。ドルフィンズのディフェンスが活躍しでレイブンズを撃破した。ドルフィンズは3勝7敗、レイブンズは6勝3敗となった。(写真はすべて Getty Images )

マイアミ・ドルフィンズ○22-10●ボルティモア・レイブンズ
(2021年11月11日、ハードロック スタジアム)

【得点経過】
 
レイブンズ 第1Q  残り9:48 Kジャスティン・タッカー 46ヤードFG
9プレー47ヤード 5:12 [3-0]

ドルフィンズ 第2Q  残り6:18 Kジェイソン・サンダース 31ヤードFG
10プレー46ヤード 5:14 [3-3]


ドルフィンズ 第2Q  残り0:03 Kサンダース 22ヤードFG
8プレー84ヤード 0:48 [3-6]

ドルフィンズ 第4Q  残り12:34 Kサンダース  29 ヤードFG
7プレー53ヤード 4:05 [3-9]

ドルフィンズ 第4Q  残り11:23 CBザビエン・ハワード 49ヤードファンブルリターンTD (2点CV失敗)
[3-15]
 
レイブンズ 第4Q  残り4:12 TEマーク・アンドリュース 5ヤードTDパス←QBラマー・ジャクソン (キック成功)
9プレー99ヤード 3:28 [10-15]
 
ドルフィンズ 第4Q  残り2:19 QBトゥア・タゴバイロア 1ヤードTDラン (キック成功)
6プレー75ヤード 1:53 [10-22]
◇ドルフィンズーレイブンズ◆完敗にうつむくレイブンズQBジャクソン=photo by Geety Images

ディフェンス躍動 過去の大敗のリベンジ果たす

ドルフィンズは直近の5年間でレイブンズとは3回対戦があった。いずれも悪夢のような大敗だった。

 2016年の第3週は6-38で敗れた。2017年の第6週は0-40で負けた。

 極めつけは2019年の開幕週、10-59で大敗した。オフェンスはトータル643ヤードを奪われ、QBラマー・ジャクソンには5TDパスを喫した。ジャクソンはこの試合でパサーズレーティング満点の158.3を記録した。控えQBのロバート・グリフィンⅢにもTDパスを許す有様だった。

 そんな対戦相手に対し、この日のドルフィンズディフェンスは、リベンジを果たした。今までの借りを少しは返すことができた。

◇ドルフィンズーレイブンズ◆パスインターセプトを喜ぶドルフィンズディフェンス陣=photo by Geety Images

 なんと言ってもレイブンズのランを止めたのが大きかった。

 レイブンズが、NFL最長タイとなる43試合連続のチームラン100ヤード以上を記録していたのは有名だが、その記録がいったん途切れた後も、強力なランオフェンスは健在で、先週はバイキングスディフェンス相手に、247ヤードを走っていた。

そもそも記録が止まったコルツ戦も、ランを止められたのではなく、第4Qで16点もリードされたため、パスに切り替えただけだった。

 そのレイブンズのランが、この日は94ヤードと封じられた。QBジャクソンも含め、40ヤード以上走った選手はいなかった。

 パスはどうかと言えば、こちらも酷かった。ジャクソンは走ることで調子を上げていくQBだが、ドルフィンズの徹底したブリッツが余計にリズムを狂わせた。4回QBサックされ、パスのタイミングと精度に苦しんだ。10ヤード以上のパスは12回中3回しか成功しなかった。
◇ドルフィンズーレイブンズ◆ 活躍したドルフィンズのルーキーDEフィリップス=photo by Geety Images

 ドルフィンズは、特に2019年の大敗を知らないルーキーたちが活躍した。1巡18位指名のDEジェイラン・フィリップスは、パスラッシュだけでなく、ジャクソンをしっかりコンテインし、外のランを封じた。フィリップは、大学進学時に全ポジションを通じて全米3位にランクされた素材で、今ドラフトでも、DLの中でトップで指名された。

 Sジェヴォン・ホランドはパスを2本ブレーク。後半には、外からのブリッツでジャクソンをサック、パントに追い込んだ。この試合でホランドは、21回もブリッツしたが、これはNFLが2016年にネクストジェネレーションスタッツを始めて以来、DBのブリッツとしては最多記録となったという。
◇ドルフィンズーレイブンズ◆「ブリッツ祭り」の主役となったルーキーSホランド=photo by Geety Images

 ディフェンスとは裏腹に、ドルフィンズオフェンスは、問題山積みだった。ホームのハードロックスタジアムに詰めかけたファンにとってはストレスがたまるものだった。前半は2本のFGを除けばパントばかり。TDを決めそうな気配がなかった。

 第3Qには、ヒットされたQBジャコビー・ブリセットが退き、利き腕の指を痛めているトゥア・タゴバイロアが登場したが、オフェンスの決定力は変わらず。
◇ドルフィンズーレイブンズ◆勝利を喜ぶドルフィンズQBタゴバイロア=photo by Geety Images

 エンドゾーンまで6ヤードに迫った第4Q残り13分からのプレーでは、タゴバイロアのドロップバックが深すぎてスクリーンパスがショート。本来はブロッカーだったRGのロバート・ハントが、まるでTEのようにパスをキャッチして突進し、TDを決めたかに見えた。

 この日、スタジアムを一番盛り上げたプレーだったが、ハントはOLのためパスを捕球する資格がなく、結局は反則で5ヤード罰退。このチャンスもFGにとどまった。

 この後、CBハワードがファンブルリカバーリターンTDを決めてリードを広げると、後半2ミニッツの19秒前に、ようやくこの試合で初めてドルフィンズオフェンスのTDが決まった。TDのドライブのキープレーは、タゴバイロアが左サイドライン際のWRアルバート・ウィルソンに通した64ヤードのパスだったが、このプレーがドルフィンズの、今季最長パスプレーだという。

 ドルフィンズは反則も多く、11回97ヤードの罰退。第2週からの7連敗の後、今季初の連勝となったが、ブライアン・フローレスHCの悩みは深そうだ。

【小座野容斉】

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