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2021-12-27

【箱根駅伝の一番星】創価大学のゲームチェンジャー・嶋津雄大が抱く箱根路への思い「2区も走ってみたいけど、今回は……」

過去2回同様、今回もゲームチェンジャーとしての役割が期待される嶋津

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4区なら前回のリベンジを

自分がつくったレースで快記録を出したことで、「もし八王子に出ていたら27分台は出ただろう」という自信も得た。だが、ムルワはその八王子で27分35秒29で走り、創価大記録を更新。榎木監督も「2区なら1時間6分前後では走れるだろう」と信頼を寄せる。さらに前回の箱根以来ケガが続いていた葛西も早大記録会の5000mで自己記録に迫る14分06秒74で1位、続く11月28日の東海大長距離競技会ではレースの6割程度を引っ張り、「ラストは無理をして上げるな」という榎木監督の指示どおりの走り28分43秒40の自己新で復活をアピール。当初の構想どおり、1区を走れそうな状態になってきた。そのようなチームの状況のなか、嶋津は2区ではなく往路の他区間という可能性が高くなっている。

「前回はテレビに映らなくて幸いでしたが、(9月からの競技活動再開のため)3カ月で仕上げたツケが出て、ラスト2kmは脚がつってペースがガタ落ちしていたんです。本当は同じ区間を走りたくないんですけど、4区なら、そのリベンジをしたいなという気持ちはあります」

こう話す嶋津は、今回の箱根が最後でないことも明かした。3年生の前期を休学したため、来年度も大学に残る。9月卒業も可能だが、走れるチャンスもあるのでもう一度チャレンジしようとしている。

「そのときに27分台で走れていれば2区もあるかもしれないけど、5年生で2区を走るのもずるいかなという思いもあります。そのときは一番走りたい9区でもいいし、もう一回10区を走って2年のときの自分を超えるのもいいかなと思っています」

これまで、記録や背中でチームを引っ張る思いを体現してきた嶋津。4年生で走る今回も、ゲームチェンジャーとしての役割を果たす準備はできている。

しまづ・ゆうだい◎2000年3月28日、東京都生まれ。170cm・55kg、O型。堺中→若葉総合高(東京)。高校時代は3年時(2017年)に山形インターハイ5000mに出場(予選3組8位)、全国高校駅伝東京都予選で1区区間賞を獲得。大学2年時の箱根駅伝は10区で区間新記録&区間賞でチームを11位から9位に押し上げ初のシード権獲得、3年時は4区を務め、区間2位の走りでチームを2位から首位へと導き、往路優勝、総合2位に貢献した。今季、初出場となった出雲駅伝では6区7位。自己ベストは5000m14分03秒65(2019年)、10000m28分14秒23(21年)、ハーフ1時間04分09秒(20年)。

文/折山淑美 写真/福地和男、中野英聡

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