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2021-12-26

【高校駅伝】仙台育英高が2年ぶり5回目の都大路制覇

一度も先頭を譲らず都大路を走り切った仙台育英高(写真/早波章弘)

女子第33回全国高校駅伝競技大会は26日、京都市たけびしスタジアム京都(西京極陸上競技場)を発着点に5区間21.0975kmのコースで行われ、仙台育英高(宮城)が1区から5区まで首位を独走し、1時間07秒16で2年ぶり5度目の優勝を飾った。トップから1分5秒差の2位はゴール間際で順位を上げた薫英女学院高(大阪)、2年連続2位だった神村学園高は3位でフィニッシュした。

歴代最高の強さでパーフェクトな駅伝

 強い風が吹き、小雪の舞う都大路で仙台育英高が圧倒的な強さを見せた。10時20分の号砲とともに米澤奈々香(3年)が飛び出し、2.5km付近からは独走態勢に入る。インターハイ1500m、3000mで共に日本人トップに立ったキャプテンは、1区でエースらしい走りを披露した。「後ろの選手たちが余裕を持って走るために、怖がらずに前半から行きました」と米澤。2位と30秒差をつける19分15秒で堂々の区間賞を獲得した。

 1区で流れに乗ると、盤石のレース運びを見せる。2区では前回区間9位と悔しい思いをした杉森心音(2年)が、同区間で雪辱を晴らす。序盤からハイペースで飛ばし、目標タイムの“50秒“を切る12分41秒で納得の区間賞。「強さを見せることができた」と満面の笑みを見せた。3区にタスキがつながるときには、すでに2位とは56秒差がついていた。「1区で8割くらい、2区で9割くらいは優勝できると思いました」(釜石慶太先生)

 3区では3年生の山中菜摘が安定した走りで区間1位の快走。夏は故障に苦しみ、インターハイはサポートメンバーに回るなど苦労を重ねてきたが、最後の都大路で最高の結果を残した。仲間たちに「また絶対に走れるようになるから」と励まされ、あきらめずに調整を続けてきたことが報われた。3区を走り終えて、仲間たちの顔を見ると、抱き合って歓喜。「周囲の支えがあったからここまでくれた」と声をつまらせた。

 後半区間は大きなリードを生かし、余裕を持ってタスキをつなぐ。4区の渡邉来愛、5区の須郷柚菜の1年生コンビは伸び伸びと走り、京都の一人旅を存分に楽しんだ。しっかり区間上位でまとめて、仕事を果たした。ゴール地点のたけびしスタジアム京都のトラックに入ってくると、大きな拍手に包まれるなか、最後までスピードを落とさずに優勝のフィニッシュテープを切った。

「パーフェクトな駅伝でした。区間配置も狙いどおり。2017年、19年に優勝したときともまた違う、新しい勝ち方ができました。仙台育英史上では、歴代最高と言ってもいいくらいの強さだったと思います」

33歳の青年監督は、充実感あふれる顔でタスキリレーを振り返った。記録よりも記憶に残るような圧巻の駅伝だった。

文/杉園昌之 写真/早浪章弘

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