close

2022-01-06

「闘わなくてよかった? だって結果はわかってるから」アントニオ猪木が語るジャイアント馬場<4>【週刊プロレス】

ジャイアント馬場にコブラツイストをかけるアントニオ猪木

 アントニオ猪木とジャイアント馬場のライバル関係はリング上だけでなかった。時には政治的な部分で、時には外国人選手の引き抜き合戦、後継者育成など、互いにプロレス団体の社長としてリング外でも闘っていた。馬場がいたからこそ猪木がいる。全日本プロレスがあったからこそ新日本プロレスがある。まさに合わせ鏡の関係だったが、猪木の根底にあった馬場への意識とは……。
※週刊プロレス2009年2月11日号(No.1458)掲載

――猪木さんから攻撃するだけでなく、NWA加盟問題などの仕返しもありました。そう考えると馬場さんも猪木さんを意識してたんでしょうね。

猪木 どうでしょう?

――結局、馬場戦は若手時代を除くと実現しませんでしたが、闘わなくてよかったという思いはありますか?

猪木 だって結果はわかってるから。周りでなんと言おうと。ただ、あれだけの体で屈伸運動(ヒンズースクワット)1000回とかできたわけですから、力が強かったのは確か。相手が乗っかってきても、あれだけの脚でバンと蹴飛ばされたら吹っ飛んじゃうからね。

――一方で馬場さんが亡くなったことにより、プロレス界の歯止めが利かなくなった印象がありますが……。

猪木 本当は長州(力)とか藤波(辰爾)にキチッと次の世代にバトンを渡してほしかった。プロレス入りするにあたってバリューと実力と理想さえあれば天下をとれるんだけど、残念なことに理想がない。俺は真っ白な状態で(プロレス界に)入ってきた。それだけに「天下をとりたい」っていう一念でやってきたから。相撲とか野球とか意識が外に向かっていく時があって、実際に同時間帯で視聴率で野球に勝ったこともあった。いつまでもマイナーでいいのかと。(長州、藤波の)理想は違ったのかな?

――何かと対比されてきた猪木さんと馬場さんですが、結果的に猪木さんの歩んできた道が、新日本のファン気質につながっていった感じがします。叩き上げの選手を好むという……。

猪木 やっぱり人間ってサクセスストーリーだけではつまんないんじゃないの? ドラマになるには、どこかに不良であったり、そういう部分がないと。

(おわり)

橋爪哲也

PICK UP注目の記事

PICK UP注目の記事

RELATED関連する記事