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2022-02-17

【陸上】現役復帰し、再び世界に挑む大迫傑。「挑戦することはワクワクするし、楽しいこと」

「そんなに甘くはないと分かっている」という大迫だが、3度目のオリンピック出場を視野に入れる(写真提供/Nike)

2月17日、東京五輪男子マラソン6位入賞、マラソン前日本記録保持者の大迫傑がオンラインで現役復帰会見を行った。

2月7日、自身のSNSで現役復帰を表明した大迫。現役最後のレースとして臨んだ昨年8月の東京五輪男子マラソンで6位入賞を飾った後は、次世代の育成事業である「Sugar Elite」の活動などに取り組んできた。その大迫に現役復帰を決意させたのは、かつてナイキ・オレゴン・プロジェクトのチームメイトであった、ゲーレン・ラップ(アメリカ)の走りだったという。

「(昨年)10月のシカゴ・マラソンを家族で見に行って、ラップが2位入賞しました。ラップの走りを見た僕がそうであったように、僕自身も見ている人がワクワクするような場に立ちたいと思いました。ラップは僕よりも年上の選手ですが、近年、脚の故障で苦しんでいて。そういった選手が活躍しているのは刺激になりました」

東京五輪後の活動を通して、改めて感じたことがある。それも復帰を後押しした。

「それまでは競技としてランニングと向き合ってきましたが、文化としてのランニングに触れ合いました。ランニングって素晴らしいと思うと同時に、競技者としての刺激が欲しいと思いました。やめる前は自身の第二章として、後輩の背中を押せたらと思っていましたが、押すだけでなく、自分自身がトップレベルを目指していく選手として、背中を見せて引っ張っていく。それが日本陸上界が強くなっていくと思いました。どこまで世界と戦っていけるか挑戦したい。これから育っていく選手とともに途中まで伴走できれば。後輩たちにトップを取ってもらいたいという気持ちはあります」

復帰レースは未定というが、今年の秋冬、もしくは来年の春を念頭に置いている。これまでどおり、マラソンを主軸にトラックにも取り組んでいく。その先に3度目のオリンピックへの挑戦も示唆した。

「出たいという気持ちはありつつ、そんなに甘くないことも分かっています。今年、来年と競技力向上を目指していきたい」

会見では、スポーツの社会的な価値を高めたいとも語った大迫。その一つとして挑戦し続けることの重要性を説く。

「伝えたいのは、挑戦することは自分がワクワクするし、楽しいということ。今の時代は失敗したら取り返しがつかないような風潮がありますが、失敗してもいいと思うんです。そんな健全な社会になったらうれしい。自分が発信していくことで、皆さんが何かに挑戦していければ」

キャリアの第二章も、大迫傑のスタンスは変わらない。これまでどおりにチャレンジングなものになるに違いない。
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