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2022-03-11

【大学駅伝】10年ぶりのシード権復帰で上昇気流に乗る中央大の新主将・若林陽大、競技生活ラストイヤーにチームを箱根3位へ

中央大の新主将・若林陽大(3年)。箱根では3年連続山下りで好走

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競技生活ラストイヤーの目標は区間賞と箱根3位以内

2021年に入り、箱根6区の快走をそのままに、若林はトラックで自己記録を更新し続ける。5000mでは13分59秒08と14分切りを達成し、10000mでも28分42秒02をマークした。

「3年の7月までは走るたびに自己ベストが出る感じでした。この勢いに乗ってロードシーズンに突入したいところでしたが、夏を迎えて体調を崩してしまったんです」

強度の高いポイント練習をすると、疲労がハンパない。とても次の練習にまで回復するような疲れではなく、継続して練習が積めなくなってしまったのだ。

「8月、9月と時間が過ぎていきましたが、ようやくポイント練習に復帰できたのは10月に入ってからでした。だから、10月の箱根駅伝の予選会も、11月の全日本のメンバー選考にもまったく絡めない状況で、『このままだと箱根もどうなるのか……』という感じでした。ようやく10月、11月と練習が積めるようになり、どうにかこうにか箱根に間に合わせたという感じでした」

突貫工事の感じもなくはなかったが、3年連続の6区では58分48秒で区間5位。10年ぶりのシード権獲得に向けて、手堅い走りを披露した。ただし、若林本人は納得いく走りではなかったという。

「区間賞を狙ってましたからね。やっぱり、夏から秋にかけて練習が抜けていた分、2年生のときのタイムに3秒届かなかったのかなと思います」

チームはシード権を獲得したことで、間違いなく上昇気流に乗った。新主将としては、さらに高みを目指すチームの流れをうまくつくりたいと考えている。

「僕たちの学年は、個性派ぞろいなので、まとめようとは考えてないです。それぞれの個性を、必要なところで発揮してくれればいいかなと思っています。僕は、そういう雰囲気をつくれればいいかなと思っているんです」

これだけの実績を積み上げながらも、競技者としては大学4年の今年が最後になるという。

「卒業後の進路をいろいろ考えましたが、今年が最後と決めました。いい練習をして区間賞も狙いたいですし、チームとしても箱根駅伝で3位以内を目指します」


プロフィール
わかばやし・はると◎2000年11月23日、岡山県生まれ。173㎝・54㎏、A型。吉備中→倉敷高(岡山)。今季1500、3000m、5000m、10000mの4種目で自己ベストを更新。箱根は1年時から6区を務め、2年時と3年時に58分台で区間5位。自己ベストは5000m13分59秒08、10000m28分42秒02(共に2021年)、ハーフ1時間05分30秒(20年)。

文/生島 淳 写真/黒崎雅久、中央大陸上競技部

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