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2022-03-11

【大学駅伝】10年ぶりのシード権復帰で上昇気流に乗る中央大の新主将・若林陽大、競技生活ラストイヤーにチームを箱根3位へ

中央大の新主将・若林陽大(3年)。箱根では3年連続山下りで好走

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昨シーズンは、全日本大学駅伝、箱根駅伝で10年ぶりにシード権を獲得し、古豪復活を印象付けた中央大。来る新シーズン、箱根で3位を目指すチームのキャプテンの大役を任されたのが3年連続箱根6区を好走した若林陽大(3年)だ。それぞれの個性を発揮できる雰囲気づくりを重視し、競技生活ラストイヤーにふさわしい結果を求め、チームをけん引する。

キャプテンとしての資質
 
中央大は復活した。

全日本大学駅伝、箱根駅伝ともに10年ぶりのシード権を獲得し、次のターゲットを藤原正和監督はこう語る。

「箱根については、2024年の第100回大会に優勝を目指します」

中大といえば、箱根では最多となる総合優勝14回を誇る。15回目の優勝を目指して、2022年度のシーズンは重要な意味を持つ。その新しいチームの主将となったのが、若林陽大だ。

若林は岡山県の出身。吉備中から倉敷高に進み、2018年の3年時には都大路の4区を走り、区間3位に入って2度目の優勝に貢献している(ちなみに区間賞はJ・ムワニキ/世羅高、2位は横田俊吾/学法石川高→現・青学大だった)。

実績を引っ提げて中大に入学したが、1年生のときには競技レベルの違いに戸惑うこともあったという。

「倉敷高からは、2年先輩の畝拓夢さん(現・日立物流)が中大に進んでいたので、ある程度雰囲気は知っていたのですが、練習で走る距離も長くなりますし、なかなか適応していくのは大変でした。それでも、1年生のときから箱根では6区を担当させてもらい、結果的にはいいスタートが切れました」

1年生で山下りを担当した若林の結果は、59分25秒で区間10位。この大会の中大は総合では12位となってシード権獲得は逃したが、藤原監督は「これで4年間、担当してくれる選手が見つかったのは収穫でした」と、若林の下りの技術を高く評価した。

監督の言葉どおり、若林は2年でも同じ6区を担当。戦力は充実していたが、往路ではまさかの19位に低迷、モチベーションとしては難しい走りだったはずだ。しかし、若林は落ち込むことなく自分の走りに徹し、58分45秒と大幅に前年の記録を更新、区間5位にまとめた。

「目標としていたシード権を獲得するのは、正直、難しい状況でしたが、自分の走りはできたつもりです」

状況に左右されないメンタルこそ、まさに主将にふさわしい資質だったかもしれない。

文/生島 淳 写真/黒崎雅久、中央大陸上競技部

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