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2022-03-21

前田日明vs高田延彦を食った! 22歳の安生洋二vs20歳の船木優治が熱闘で新時代到来へ!!【週刊プロレス昔話】

船木優治をスリーパーで絞る安生洋二

 1989年6月14日、新生UWF名古屋大会の主役を22歳の安生洋二と20歳の船木優治(現・船木誠勝)がかっさらった。

 同大会のメインは前田日明vs高田延彦。セミでは山崎一夫vsノーマン・スマイリー、セミ前には藤原喜明vs鈴木みのる(この日より鈴木実から改名)という好カードが組まれていた。そんな中で安生vs船木は第2試合で大会ベストバウトの熱戦を繰り広げ、新生UWFの真骨頂を見せつけた。

 前回大会では船木vsボブ・バックランド戦が反則決着となった。そのため、この日の全試合開始前には通常のルール説明とは趣を変え、リングにデビューしたばかりの田村潔司と練習生の長井満也が上がり、リングアナウンサーの解説通りに反則行為を実践。さらに、入場者全員に河口仁氏が漫画で解説したオフィシャルルールの抜粋が配布されていた。

 新生UWFに移籍後2連敗だった船木はバックランド戦でルールに対する戸惑いも感じさせたが、この日は皆無。空気を切り裂くような鋭い張り手、サルマン・ハシミコフの水車落としからヒントを得た前方水車落とし、ダブルアーム・スープレックスを放った後もリバース・フルネルソンを放さずにそのまま絞り上げる拷問技などで圧倒した。

 安生がレフェリーのロープブレークを無視して、頭突きを放ち、船木が鼻血を出し、警告1が宣告されたが、両者の凄味とやる気は観客を魅了。最後は安生がリバース・アームロックで船木をギブアップさせた。

 当時の新生UWFは前田、高田、山崎の“前高山”が中軸。しかし、安生vs船木の熱戦は若い息吹が着実にそこを脅かす存在になりつつあることを物語っていた。

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