バンタム級での世界王座復帰を目指す元WBC世界フライ級チャンピオン(現WBCバンタム級7位)比嘉大吾(25歳=Ambition)が10日、リモート会見を行い、10月26日(月)、東京・後楽園ホールで日本バンタム級13位の堤聖也(24歳=角海老宝石)とバンタム級10回戦を行うことを発表した。
上写真=最高の環境で鍛え、ベストパフォーマンスを期待できるという比嘉
「2月の試合のときとは別人のようです」。
同席した野木丈司トレーナーがハッキリと断言するほど、比嘉のパフォーマンスは絶好調のようだ。「ボクシングの勘、スタミナは世界チャンピオン時に戻っているし、パワーに関しては当時よりも増している」と具体的に語る。ジム移籍が決定し、野木トレーナーの住まいがある横浜に引っ越し、「朝、晩の2部練習で、きついトレーニングを重ねてきた」(比嘉)こともひとつ。さらに「メンタル的なスイッチが入ったことによって、こんなに変わるものかと驚いた」と野木トレーナーが目をみはるほど、気持ちの充実ぶりが“変身”を支える。
対する堤は1月に行われた『GOD LEFTバンタム級トーナメント決勝』で、強打のサウスポー中嶋一輝(大橋)をかき回して空転させ、惜しくも敗者扱い(公式結果はドロー)となったが株を上げた選手。比嘉はアマチュア時代に2度対戦し、いずれもポイント負けを喫している。「相手が嫌がることをやってくる選手」(比嘉)。野木トレーナーも「元世界チャンピオンと戦うとなれば、相当な意気込みでくるはず」というが、「こちらも最初からぶっ潰すつもりで臨む」と気合十分だ。
来年中のバンタム級での世界挑戦、奪取を「明確な目標として掲げたい」(野木トレーナー)と青写真を描いており、「KOで勝って次につなげたい」(比嘉)、「KOするのに力むのでなく、倒すためにやるべきことをやる」(野木トレーナー)と、はっきり格の違いを見せつけるつもりだ。
17戦16勝(16KO)1敗の比嘉にとって、日本人選手との対戦は2014年11月、3戦目の藤井敬介(宇都宮金田)戦以来、2度目。6戦5勝(4KO)1分の堤は、アップセットを果たせば一気に世界ランク入りを果たす。
また、セミファイナルでは、「比嘉以上の素材」と野木トレーナーがデビュー時から高評価する大湾硫斗(おおわん・りゅうと、22歳)が2018年10月以来のリング復帰を果たす。比嘉と同じくAmbitionジムからの再出発で、スーパーバンタム級8回戦をサウスポーの岸根知也(ミツキ)と行う。
大湾は6戦5勝(3KO)1敗。岸根は10戦6勝(2KO)3敗1分。
文&写真_本間 暁
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