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2022-10-20

【陸上】「2人同時優勝は初めての経験」 田島記念で兒玉と君嶋が1000分の1秒まで同タイム



お互いの存在が今季の好タイムの要因

両者にとって、今季は飛躍のシーズンだった。君嶋は地元・山口の麻里布中2年で出場した全日中200mで、当時の中学記録(24秒36)を樹立。その後はケガなどで苦しんだ時期もあったが、社会人4年目となる今季、日本選手権100mを初制覇。オレゴン世界選手権では4×100mRで2走を務めた。

一方、兒玉は日本選手権の100mこそ君嶋に3連覇を阻まれたが、200mでは23秒34(+2.6)で2年連続3度目の女王に輝き、女子ショートスプリント界を引っ張る存在に成長。東京五輪、オレゴン世界選手権にリレー代表として出場するなかで「個人でも世界と戦いたい」という思いを強く抱き、9月の全日本実業団対抗100mでは日本記録まで100分の3秒と迫る11秒24(+1.3)をたたき出した。

100mでは兒玉が日本歴代2位、君嶋は11秒36で同4位タイとランクイン。兒玉が「君嶋さんがいたから、今シーズンは高いレベルで戦うことができた」と言えば、君嶋は「(日本記録保持者の)福島千里さん、髙橋萌木子さんが築いた時代のように、女子スプリント界がまた注目されて、個人でも世界大会に出場できるように競い合っていきたい」と返した。

予選から11秒4台をマークするハイレベルな戦いを繰り広げた2人だが、そこに満足した様子はない。君嶋は来季、「まずはブダペスト世界選手権の参加標準記録となる11秒08を切りたい」とさらなる飛躍を誓い、兒玉は「11秒2台を安定して出したい」とステップアップを誓った。


11秒41の同着V&大会新で優勝を分け合った兒玉(左)と君嶋(右)

文/新甫條利子 写真/上野弘明

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