兄・井上尚弥とともに11月7日(木)、さいたまスーパーアリーナのリングに立つWBC世界バンタム級暫定チャンピオン井上拓真(23歳=大橋)も9日、練習を公開。正規王者ノルディーヌ・ウバーリ(33歳=フランス)とのWBCバンタム級王座統一戦へ向け、「早く試合がしたい」と、自信を深めている。
真吾トレーナーからアドバイスを受ける。「自分で思うことと、お父さんが言っていることは一致しています」
髪の毛にシルバー色を入れた兄・尚弥に対し、拓真は「たんに伸びていたから」と、いつも以上に短く仕上げてきた。お店も別、申し合わせたわけでもなく「偶然」、兄弟そろって髪の毛をいじったのだという。試合までひと月を切った時点でのテンションが、兄弟そろって合わさっているということなのだろう。
順調ぶりが、言葉や表情にも表れる。髪の毛に始まり、食事、可愛がっているヒョウモントカゲモドキの話など日常のこと。そして、なによりも自らのパフォーマンスについても。
トレーニング中の集中力の高さは、以前に比べると格段に上がった
「スパーリングも順調に来ています。サウスポー対策の手ごたえ。自分の動き的にも。両方に自信がある。すごい自信があります」
性格的に、物事を強くはっきりと言わない傾向のあった拓真だが、あまりにもストレートに発言するのだ。そして、「早く試合がしたい」と笑顔まで浮かべて語った。
対するウバーリはサウスポー。当初は、ウバーリうんぬん以前に、サウスポーとの足取りや前の手のやり取りにナーバスになっていた。
だが、昨年末に暫定王者となって、正規王者ウバーリとの統一戦を義務づけられていたため、およそ1年にわたって、じっくりと着実に“慣れ”を磨いてきた。試合が正式決定した8月下旬でさえも、「いまのままでは勝てない」と言っていたが、ここにきて、自信の言葉を明かせるレベルに至ったのだ。
兄弟そろってのシャドー。相手を常に想定した動き。それこそが井上兄弟を強くする基本だ
尚弥同様、この日はシャドーボクシング、ミット打ち、サンドバッグ打ちと、スパーリングはなし。けれども、太田光亮トレーナー相手のミット打ちで、“仮想ウバーリ”に対する反応の鋭さが目についた。拓真がポイントと話す“前の手の駆け引き”、ジャブを差し込むタイミング、さらにウバーリが入ってきたところへ合わせるカウンター。サウスポー対策に四苦八苦していた姿はすでになく、その次の段階、“ウバーリ対策”も十分な状態に入っていることを印象づけた。
「サウスポーに対してのディフェンスもスムーズにできるようになりました。頭の位置を常に変える。元々、ディフェンスは自然に身に着いてるので、考えて動いているわけじゃないですが」
ストレッチ中、真吾トレーナーが何気ないひと言をかける。こんな瞬間に、親子のやり取りが垣間見える
尚弥と同じく、父・真吾トレーナーに「まずはディフェンスありき」のボクシングを徹底的に染み込まされた。その感覚を、より研ぎ澄ます。反応を磨く。それは相手が誰であろうが変わらない。井上兄弟の“ベース”だ。
ウバーリの攻撃は、リラックスした状態から小気味よく放ってくる連打が特徴的。拓真も「相手は回転力があるので、そこを注意したい」と警戒する。
その連打を始まらせない“駆け引き”、抑止する“一撃”が、最初の見どころとなる。
「『顔が怖い』ってよく言われるんですが……」という拓真だが、笑顔には茶目っ気があふれてる
数日前に完成した試合ポスター。拓真の写真は2年前に撮られたものだという。
「(従兄の)浩樹から、『幼くね?』って連絡がありました(笑)」といい、いまの自分を「渋くなった(笑)」と表した。
ボクサーとして、人として、2年前からは確実に厚みを増した。それらすべてを体現するまで、あと25日。
井上拓真にとって、ボクサー人生のターニングポイントとなる試合だ。
文_本間 暁
写真_山口裕朗
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