12月25日、京都の都大路を高校生が駆け抜ける。女子は5年連続メダル獲得中で前回覇者の仙台育英高(宮城)と4年連続メダル獲得中の神村学園高(鹿児島)が優勝争いの筆頭か。前回2位で水本佳菜(3年)擁する薫英女学院高、34年連続出場を誇る地元・京都の立命館宇治高、3年ぶりの都大路となる筑紫女学園高(福岡)らのメダル争い、また8位入賞争いにも注目だ。
仙台育英の連覇か、4年ぶりの神村学園か仙台育英高(宮城)と神村学園高(鹿児島)の覇権争いが予想される。至近4大会と同様に、優勝記録は1時間7分台前半か。
仙台育英高は2017年に23年ぶりの優勝を飾って以降、18年が3位、19年が1位、20年が3位、前回が1位と、5年連続でメダル獲得中だ。前回2区区間賞の杉森心音(3年)が、今季はエースとしてけん引。前回4区2位の渡邉来愛、8月の徳島インターハイ800m優勝の壁谷衿奈(共に2年)や強力な1年生トリオもおり、分厚い選手層を誇る。県大会はコンディションに恵まれず、1時間08分41秒だったが、11月以降は各選手が調子を上げている。連覇は過去に1993・94年の仙台育英高、95~97年の埼玉栄高(埼玉)、08・09年の豊川高(愛知)のみで、仙台育英高は史上初となる2回目の連覇が懸かる。
対する神村学園高は、18年に初優勝を果たした後、19年と20年が2位、前回が3位と、4年連続でメダル獲得中だ。県大会では、全国トップの1時間07分28秒をマークした。3000mで8分42秒31の高校国内国際最高記録を持つカリバ・カロライン(2年)が、県大会の5区(5㎞)で14分58秒の区間新。前回の都大路は15分20秒で区間2位だったが、今大会ではそれ以上の快走を望める。1500mで高校歴代7位の4分15秒86を持つ田島愛梨(3年)の1区と、3㎞区間の3・4区の走りが、4年ぶりの王座奪還に向けてのポイントだろう。
仙台育英高はエースで主将の杉森と神村学園高の日本人エース・田島。エースの直接対決の結果がメダルの色を左右する(写真/BBM)上位常連校がメダルを争うメダル争いも注目だ。まず、前回2位の薫英女学院高(大阪)を挙げたい。インターハイの1500m、3000mで日本人トップの水本佳菜、前回1区5位の西澤茉鈴、2区8位の薮谷奈瑠(以上3年)らがそろう。府大会と近畿大会は1時間10分台だったが、共に主要区間に1年生を起用しての記録。都大路で本領を発揮するはずだ。
前回4位の立命館宇治高(京都)は、第1回大会から34年連続出場で、最多25回の入賞を誇る。前回も好走した細谷愛子、太田咲雪、瀨川藍の3年生トリオ、今季9分11秒75と力をつけた山本釉未(2年)らで、2位に入った14年以来、8年ぶりのメダルを目指す。
3年ぶりに都大路に帰ってくる筑紫女学園高(福岡)は、5000m15分47秒87の松本明莉(3年)、16分08秒39の北野寧々(3年)、16分16秒56の福山光(2年)の三本柱を中心に、20回目の全国入賞を狙う。
前回7位のメンバーが全員残った長野東高(長野)は、1区3位だった村岡美玖(3年)、インターハイ1500m8位の名和夏乃子(2年)、15位の佐藤悠花(3年)を軸に、チーム力が上がっている。
8位入賞をめぐる争いも例年以上にし烈だ。9分07秒22のチェボティビン・カドゴ(3年)、栃木国体で少年A3000m4位の奥本菜瑠海(2年)がけん引する前回5位の興譲館高(岡山)、関東大会を1時間08分48秒で制した白鵬女高(神奈川)、インターハイ3000m決勝進出の田中咲蘭(3年)がいる前回8位の諫早高(長崎)などが有力。青森山田高(青森)、ルーテル学院高(熊本)、成田高(千葉)、順天高(東京)らも入賞争いに加わるか。前回、チーム最高の13位に入った旭川龍谷高は、北海道勢としては93年に7位の室蘭大谷高(現・北海道大谷室蘭高)以来、29年ぶり2校目の入賞に挑む。
メダルを争う上位常連校にも力のある選手が多数名を連ねる。メダル争い、入賞争いの行方は——(写真/BBM)