ランニングアプリのライブランの「瀬古利彦のフレフレ！2022」は、ホストの瀬古さんがゲストを招いておしゃべり&生実況をするイベントだ。12月24日（土）のゲストは、東洋大学時代に箱根駅伝で活躍した柏原竜二さん。クリスマスの話題から箱根駅伝の展望まであっという間の１時間だった。11月に第２子が誕生したばかりの柏原さんの「子供がほしいプレゼントをどうやって知るのですか」という質問で、この日のライブランはスタートした。
瀬古「子供に空に向かって、『サンタさん。〇〇をちょうだい』と言えというんです」
柏原「そうしないとフィンランドまで届かない。そういうことか！ メモさせていただきます」
走りのスペシャリストだけにライブランナーからは、走りに関する質問が相次いだ。
将来は箱根駅伝を走りたいという中学３年生からの高校時代にどんな練習をしていたかという問いには、「朝練のジョグは30分くらい。そのあとは動きづくり。タイヤ引きもしていました」
スタート直前は、脚をパンパンと叩いたりしていたそうだが、瀬古さんが「俺は深呼吸したり、20秒くらい瞑想したりしていた」と言うと、「目から入る情報は多いので、瞑想はありだと思います」と応じた。
午前８時にランナーがスタートしたあとは、元プロ野球選手の中畑清さんに遭遇したエピソードに続いて、瀬古さんと最初に出会った時の状況を披露した。
「箱根駅伝で優勝した翌日、日本テレビの『スッキリ』に出た時、『柏原は早稲田をいじめるから嫌いだ』と言われた。19歳の僕は、瀬古さんはひどい人と思っていました」
これに瀬古さんが「自分も言いながらひどいと思っていたよ」と応じると、「33歳になって笑い話になるのは楽しいですね」と返した。
その後、アニメやM1グランプリ、柏原の双子の兄の話題が続いた。
瀬古さんはフィンランドのサンタさんに届くように子供たちに叫ばせたという箱根駅伝で平地区間を走りたいと思ったかという質問には、競技者としての哲学を披露した。
「平地の区間は上りの区間より差がつかない。自分が生きる区間を選ぶのが駅伝の鉄則だし、アスリートとしての鉄則だと思う。野球やサッカーも一緒で、自分が生きるポジションはどこだろうと探すと思う。走りたかったかと言われると、あまり興味なかった」
箱根駅伝の５区は宮ノ下や小涌園で、休むというより整える感じで走る、タイムマシンで戻りたいのは、「今が楽しいので、戻りたい時はない」と言いながら、「戻ってくださいと言われれば、富士通の入社前。お前には距離は無理だから、トラックやロードを活かしながらマラソンをやれよと言います。あとは、そのうちHOKAからすごいシューズが出てくるから耐えろと言います（笑）」と続けた。
ライブランナー参加型のコーナー「どっちを選ぶ？」は、柏原さんがアイスコーヒー、瀬古さんがホットコーヒー。アイスコーヒーが好きなのは、「すぐに飲めないことでイライラしちゃう。アスリートの性で、すぐに水分補給をしたくなるんですよ。ホットコーヒー、フーフーしながら『あちっ！』となる。これがストレス」と、理由を語った。
ランナーの投票が多かったのは、ホットコーヒーだった。
山で強くなるのは、ネガティブな意識を持たないこと、坂道で息が切れる時は、吸うのではなく息を吐くことを意識すること、寒さ対策ではニット帽をかぶること、好きなアーティストは泥臭い歌詞のブルーハーツやサンボマスター、高校駅伝を見ていると泣けてくることなどの話が続いた。
盛り上がったのは、箱根駅伝の展望。２代目山の神の注目する見どころは「３冠を目指している駒澤大の大八木監督vs青学、順大、國學院、中央が対峙する構図」だと言う。
駒大はエースの田澤廉選手に頼るチームではなくなったこと、青学は走るであろうと考えられていた選手が外れているので未知数であること、国学院大は凛としていて雰囲気がとてもいいことなど、「第二の増田明美」と瀬古さんから言われるほど、取材で得た豊富な情報から各チームの状況を紹介してくれた。
ラジオでレギュラー番組を持っている柏原さんに、終わった後にラジオと比較したライブランの印象を聞いた。
「ライブランは堅苦しさがないですし、聞いている人との距離感がない。これが不思議だなと思って今日やっていました。何が距離として見えているのだろうかと。走っている時間を共有しているからでしょう。反応がダイレクトにもらえるのがいいですね」
柏原さんと同じように参加した日本中のランナーも、フランクに多くの質問に答えてくれた柏原さんとの距離感が縮まったことだろう。
ライブランナーたちの走行距離を確認する２人
ランニングマガジン・クリール 2月号（Courir No.241）
箱根駅伝 2023完全ガイド（陸上競技マガジン1月号増刊）
