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2023-04-27

「夢の真っただ中を生きている」 サッカー場『アルジャーノンフィールド柏』、サッカーアカデミー『FCボーダーレス柏』を作り、子供たちの指導に情熱を燃やす秋谷雅義

アルジャーノンフィールド柏でボーダーレスグループ代表の秋谷雅義(左)と櫻井健太郎コーチ

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3,4年生のレッスンで子供たちに声を掛ける秋谷氏

 半年間を過ごしたドイツでは、自分の意見を遠慮なく、どんどん主張してくる子供たちに圧倒されるが、その厳しい環境の中で多くを学んだ。デュッセルドルフ、ミュンヘンと渡り、そこで得たものを日本の子供たちに還元しようと決意した。

 帰国した秋谷氏は東京、茨城のクラブを渡り歩きながら指導を重ねていった。様々な環境を経験し、コロナ禍で借りていたグラウンドが使えなくなるという状況にも直面した。「良い指導をするには良い環境でなければならない」と、自前のグラウンド作りに着手する。祖父の逝去後、空き地になっていた土地にサッカーグラウンドが一面取れる広さの人工芝グラウンドを自前で作り上げた。


充填材にはクルミの殻、ヤシの殻、トウモロコシを混ぜた天然素材を使用したため、夏場にピッチの温度上昇を抑えることができ、ボールやウェアがゴムチップの塗料で黒く染まる心配もない。子供たちのウェアを洗濯する保護者にも優しいグラウンドだ

「お世話になった方から、ヨーロッパの最先端人工芝を輸入しました。最初は業者に施工してもらおうとしたのですが、うまくいかない部分があり、結局は下地からほとんど自分たちで作り上げました」

 ピッチには大きなこだわりがある。秋谷氏自身が選手時代、怪我に悩まされたため、膝や腰への負担が大きい硬いグラウンドはどうしても避けたい。プレー面、素材、そしてクッション性など体に優しい人工芝グラウンド作りを目指した。ドイツ時代に、指導だけでなく、グラウンドの作り方も学んでいたことが、大いに役立った。


ボールを奪い合う選手たち。クッション性のある人工芝ピッチのため、怪我の心配もなくスライディングなど思い切ったプレーができる

 秋谷氏の原点にあるのは、地域の子供たちのための場所を作ること。

『子供たちの遊ぶ場所が減っている』

『地域に人工芝サッカーグラウンドのあるクラブやスクールでプレーしたいが、なかなかない』

『チームでプレーしたいが、人数が足りない』

といった悩みを解決することだった。

取材◎池田晋 写真◎BBM

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