【競泳インターハイ最終日】成田実生（淑徳巣鴨２年）が貫禄の個人メドレー２冠

インターハイの競泳競技の最終日が８月20日、北海道立野幌総合運動公園水泳プールで行われた。女子400ｍ個人メドレーでは福岡世界選手権代表の成田実生（淑徳巣鴨２年）が200ｍ個人メドレーに続き制し２冠を達成した。

女子400ｍ個人メドレー決勝、最初の種目のバタフライでは成田と鈴木彩心（豊川３年）が並ぶ展開から、次の背泳ぎで鈴木が抜け出し、前半200ｍの折り返しでは鈴木が２秒98リードした。成田は予選では前半を２分15秒82で折り返したものの決勝では２分17秒35と１秒53タイムを落とし、「予選では前半を積極的にいきましたが、決勝では不安があって遅れてしまいました」と振り返った。
不安の理由は、世界選手権後の８月４日に新型コロナにり患したことが判明し５日間、泳げなかったこと。幸い症状も軽く療養中からトレーニングを行っていたが、このことが、記録より勝負を優先する大きな起因となった。
それでも、初日の200ｍ個人メドレーに続いて優勝し個人メドレー２冠を達成。
「本当は良いタイムを出して大会を盛り上げたかったのですが…」
優勝タイムは４分42秒09と、本人にとっては平凡なタイムに表情は冴えなかったが、最低限、日本代表の責務は果たしたといえるだろう。ただ、成田はまだまだチャレンジャーだという意識を持っている。
「私自身、確実に代表になれるほどの力がないことがわかりました。まずは９月のアジア大会。400ｍ個人メドレーでは金メダルを狙える位置にいるので、残りの１カ月少しを大切に過ごしていきたいです」
世界選手権で世界のトップと戦うという貴重な経験を積んだ。万全な状態ではない中でも結果を出さなくてはいけないというプレッシャーと、出すことの難しさを体験した夏。収穫の秋へ、ぬかりはない。

その他、女子100ｍ自由形では伊東開耶（昭和学院２年）が優勝。昨年は自己ベストを更新できずに苦しい１年を過ごしたが、「復活してきている感じがあります」と手応えを得た。男子400ｍ個人メドレーは松下知之（宇都宮南３年）が制し、こちらも個人メドレー２冠を達成。「強い相手がいる中で勝ちきれたことは良かった」と胸をなでおろした。男子100ｍ自由形は混戦の中、宮田一佐（近畿大附３年）が制した。また、最終種目として行われた男女400ｍメドレーリレーは、男子が湘南工大附、女子が日本大藤沢の神奈川県勢が優勝を飾った。
学校対抗は、男子は日本大豊山が６大会連続13回目、女子は日本大藤沢が２大会連続４回目の総合優勝を果たした。

★大会最終日（８月20日）の優勝者
【男子】
▼100ｍ自由形
宮田一佐（近畿大附３年）50秒67
▼400ｍ個人メドレー
松下知之（宇都宮南３年）4分13秒82
▼400ｍメドレーリレー
湘南工大附 3分43秒93
西村優雅、篠原煌、髙下瑠唯、北島拓馬
【女子】
▼100ｍ自由形
伊東開耶（昭和学院２年）55秒61
▼400ｍ個人メドレー
成田実生（淑徳巣鴨２年）4分42秒09
▼400ｍメドレーリレー
日本大藤沢 4分3秒92★大会新
山本千晶、中澤海凪、平井瑞希、溝口歩優