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2019-07-20

相撲編集部が選ぶ名古屋場所14日目の一番 炎鵬(寄り切り)妙義龍

先場所、新入幕で7勝8敗の成績だった炎鵬。9日目に7勝目を挙げながら、給金相撲で6連敗を喫してしまった。

※写真上=連日館内を沸かせる小兵の炎鵬が、入幕2場所目で待望の勝ち越しを決めた
写真:月刊相撲

 今場所も10日目に7勝目を挙げたが、翌日から3連敗。勝ち越しを懸けた相撲に先場所から9連敗となった。

 小兵ゆえに終盤になれば疲労も蓄積し、ケガも増えていく。「もう勝てないんじゃないか」と弱気になっていた炎鵬に、白鵬が「目が死んでいるぞ」とゲキを飛ばした。

 白鵬の言葉に気持ちを奮い立たせて挑んだ妙義龍戦。炎鵬は2回つっかけて、妙義龍は“待った”。炎鵬が気負っていたのか、妙義龍が相手の出方をうかがって立たなかったのか、立ち合いの駆け引きに火花が散る。

 3回目に立ち上がると、炎鵬は左で前廻しを狙うが取れず、妙義龍に押されるも左に回り込んで土俵中央。低く潜り込んだ炎鵬は、二本差すと極められかけた首を抜いて必死に寄り立てる。ついに妙義龍を土俵外に出し、幕内での初勝ち越しを決めた。

「やっと勝てたという思いです。緊張で硬くなったけど、しっかり当たって自分の相撲が取れた。勝ち負けを考えず、思い切りぶつかっていきました」と炎鵬。

 勝ち越しに王手をかけながら勝てない日々が続き、「本当に苦しかったですね」と涙をぬぐった。幕内での初勝ち越しということで、技能賞獲得も濃厚だろう。あの小さな体で勝つには、技能がなければ話にならない。是非、あげてほしい。

 優勝争いのほうは、鶴竜が御嶽海を退けて1敗を守ったが、白鵬は琴奨菊にあっさり負けて2敗目。千秋楽、白鵬が鶴竜に勝てば決定戦に持ち込まれるが、今日の白鵬を見る限り、すんなりと鶴竜が優勝するだろう。

文=山口亜土

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