100mの自己記録が日本歴代4位(10秒00)の山縣亮太(セイコー)と同歴代2位タイ(9秒98)の小池祐貴(住友電工)の慶大出身コンビは、本来のレース用の動きを取り戻せていない。山縣はシーズンベストが10秒42(-0.3)で、GGPは予選敗退。小池は10秒19(+1.0)がシーズンベストで、富士北麓ワールドトライアル(9月6日)では10秒33(+0.6)にとどまり、ともに9月中旬の全日本実業団への出場を回避。レース用の走りを取り戻すべく準備期間に当て、日本選手権に臨む。
昨年はケガなどが続いた山縣だが、今季は練習をしっかり積めており、走行中の姿勢も目指すものができてきた。大舞台でも正確に技術を行う特徴を発揮し、勝機を見いだしたい。
小池は「シーズンに入っても、シーズンの体になっていない」と、富士北麓のレース後に漏らしたが、「改善したいところはある程度良くなっている」という感触も得ている。
2人ともきっかけさえつかめば、一気に優勝争いに加わるだろう。
飯塚翔太(ミズノ)は富士北麓に10秒25(-0.9)で優勝。メイン種目の200mの前半のための強化がしっかり進んでいる。昨年の4位以上も十分ありそうだ。
多田修平(住友電工)も福井では、武器であるスタートからの加速が戻ってきた。竹田一平(スズキAC)にも、GGPで桐生、ケンブリッジに続いて3位に入るなど勢いが感じられる。
学生では9月12日の日本学生対校選手権(インカレ)を10秒14(+1.8)の日本学生歴代9位の記録(今季の日本ランク4位)で制した水久保漱至(城西大4年)に勢いがあり、要注目だ。
構成/寺田辰朗、編集部
※この記事は「陸上競技マガジン10月号」に掲載された内容に加筆、訂正を加えたものです。
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