日本インカレの男子400mハードルは山本竜大(日大院1年)が49秒12で2年ぶりの優勝。4位まで49秒台だったのは2000年以来、大会史上2度目となる。
写真上=激戦となった男子400mハードル。右から優勝の山本、2位・黒川、3位・吉田(撮影/田中慎一郎・陸上競技マガジン)
大会史に残るハイレベルなレースだった。
10台目を黒川和樹(法大1年)、山本竜大(日大院1年)、吉田京平(東京学芸大院1年)がほぼ横並びで通過。黒川が逃げ切るかと思われたが、フィニッシュライン寸前で前々回王者の山本がかわす。学生歴代11位となる49秒12でタイトルを奪還した
2位の黒川が49秒19、3位の吉田が49秒40、4位の山内大夢(早大3年)が49秒89で続き、50秒05で5位の畑浦佑亮(同大4年)までいずれも自己記録を更新。4位まで49秒台だったのは、2000年(第69回)大会以来、20年ぶり史上2度目となる
優勝した山本は大学3年時の49秒69から自己記録を0秒57短縮。
「予選では前半攻めきれずに失敗しましたが、決勝では攻めていけました」
今年度から1台目までのアプローチを変更。22歩から21歩に減らし、大きく走って2台目、3台目で刻めるようにした。また、これまで14歩から15歩に歩数が切り替わる6台目で減速することが多かったが、その点もうまく対応できた。
48秒台を目前にし、目指すは来年の東京五輪出場。
「オリンピック標準記録である48秒90を出して、世界を見据えてどんどんタイムを更新していきたい」
ドーハ世界選手権代表の安部孝駿(ヤマダ電機)に続く標準記録突破、その先にある世界の舞台での戦いに意欲を燃やした。
2位の黒川はU20日本歴代3位の好タイムで一躍、日本のトップ戦線に躍り出た。
昨年の沖縄インターハイでは、110mハードル5位、400mハードル3位と2種目で入賞。秋の茨城国体少年A400mハードルでは2位、U20日本選手権400mハードルでは5位と、同学年で日本陸連ダイヤモンドアスリートである出口晴翔(東福岡高・福岡→現・順大1年)の後塵を拝してきた。昨年までの自己記録は51秒06だったが、日本インカレの予選で50秒92まで縮め、さらに決勝で自己記録を更新。49秒90の自己ベストを持つ出口を上回っている。
学生陣が活況を呈する400mハードル。10月の日本選手権では、安部、鍛治木峻(住友電工)、豊田将樹(富士通)、野澤啓佑(ミズノ)といった昨年の日本ランキング上位にどこまで迫れるか。
文/石井亮
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