東京五輪マラソン代表を決めたMGC(マラソングランドチャンピオンシップ)から今日(9月15日)でちょうど1年。MGC男子覇者の中村匠吾(富士通)は、オリンピック延期の現実を受け入れ、日々、できることに取り組み、1年後の本番に向かっている。
富士通の福嶋監督(右)はじめ、中村は周囲との話し合いのなか、臨機応変に強化を進めている
写真提供/富士通陸上競技部
――この夏取り組んでいるメニューで、以前とは違うものがありますか。
中村 インターバルトレーニングの日は、1000m×10本だとしたらそれで終わることが多かったのですが、今はインターバル後のきつい状態でも10㎞くらいのペース走を加えました。スピード持久力の向上が期待できますが、かなりきつくて疲労も大きいメニューです。その影響もあってホクレンではうまく走れませんでした。今まで以上に日頃のケアをしないといけないと思いましたし、大八木(弘明・駒大監督)さんや福嶋(正)監督、トレーナーさんとも話し合いをしっかりして、決めたスケジュールに固執せずに継続することを優先してやっていきます。
駅伝をはさみながら地力アップを
今後の試合日程は、12月の福岡国際か、来年2月の別大でマラソンを走る。11月の東日本実業団駅伝と元日のニューイヤー駅伝にも出場する予定だ。
――五輪本番までの間にマラソンを走る目的は?
中村 MGCのように自分で主導権を握るレースをすることです。タイムを狙いたい気持ちもありますが、それよりもオリンピックに近い状態をつくることが重要です。ペースメーカーが外れる30㎞以降の12.195㎞を、自分から動かしていきたい。服部(勇馬・トヨタ自動車)選手が18年の福岡国際で35㎞から40㎞を14分40秒に上げて勝ちきりました。強いな、と感じました。そういったレースができればタイムも2時間7~8分台が出る。7分台なら自己新です。
――アメリカで高地練習を行ったMGC前と違って、しばらくは国内で練習することになりますか。
中村 新型コロナの情勢によりますが、しばらくはそうなると思います。高地(標高2000m超)ではスピードを多少落としますが、心肺機能に負荷がかけられます。今までそれで成功してきたのですが、一度、平地でスピードを上げてやって、それがどう出るかを試してみます。国内でも菅平(長野/標高1300m)など準高地の環境でも練習はできますし、低酸素室で高地の環境を擬似的につくって、バイクで心肺機能に負荷をかけることもできます。
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