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2022-06-20

【陸上】全日中四種競技王者で400mH高校歴代7位タイの紺野稜真(九里学園高)が東北高校総体で50秒台前半V、3年ぶりの全国制覇、ハードル2冠を目指す

紺野稜真(九里学園高3年・山形)

6月9日から開催されたU20日本選手権、14日から行われた東北高校総体と連戦に挑んだ紺野稜真(九里学園高3年・山形)が、400mHで2戦続けて50秒台前半の好タイムをマークした。

インターハイで49秒台を目指したい

まず、U20日本選手権。10日の予選では50秒86と、昨年の福井インターハイ準決勝で出した自己記録を1秒07も更新。「課題の前半でしっかり大学生に付いて行けたので、持ち味のラストでも自分の力を出し切れたと思います」と、50秒50の小川大輝(東洋大1年)に次ぐ2着でフィニッシュした。

さらなる記録更新を狙った翌日の決勝は、一番外側の9レーンに入り、7レーンの小川らが内側から追ってくる状況に。スタートから前を走る選手がいなかったからこそ、紺野は自身の走りに集中した。前半はインターバルのリズムを意識。「予選より体が動いていて、後半もスピードに乗ってハードルを越えられました」と力強い走りを見せ、先頭でホームストレートへ。コーナーを抜けるときに他の選手が視界に入らなかったといい、勝利を確信すると、最後は全力でフィニッシュラインを目指した。

高校歴代7位タイとなる50秒17の優勝タイムに、「素直にうれしいです」と笑顔の紺野。今季の目標だった50秒台を早くも達成し、「これで49秒台を見据えることができます。インターハイで49秒台を目指したい」と目標を上方修正した。

U20日本選手権の400mHでは大学生を抑えて優勝を飾った
U20日本選手権の400mHでは大学生を抑えて優勝を飾った

決勝を終えた日の夜には、U20日本選手権会場の大阪から東北高校総体が行われる青森へ移動。中2日で、14日には4×100mRの予選と準決勝を走った。個人種目とリレーを合わせて5種目で東北大会に駒を進めていたが、全国制覇を狙う110mHと400mHで結果を残すことを最優先に考え、100mを棄権。

16日に行われた400mHの決勝では、2015年に高橋塁(柴田高・宮城)が樹立した大会記録の51秒41をターゲットにしていたが、想定を大きく上回る50秒45で圧勝。「設定タイムは特に決めていませんでした。前半はインターバルをしっかりと刻んで、後半に切り替えようというレースプランで走った結果です。連戦で記録が出たのは自信になるし、体力がついた実感があります」と納得の表情を見せた。

大会最終日の17日には、110mHで14秒40(+0.8)の自己新をマークして2位、アンカーを務めた4×400mRでも5位に入り、計3種目で全国切符をつかんだ。

白鷹中(山形)3年時の19年には、全日中の四種競技を当時中学歴代7位の2967点で制し、110mYHでも中学歴代4位タイの13秒84で2位。高校入学後、まずは110mHに取り組み、1年時の夏から400mHを始めた。2年時にはインターハイの400mHで惜しくも決勝進出を逃し、U18大会の110mJHでは決勝に進んだものの、不正スタートで失格。「昨年は決勝に行けなかったり、自分がミスしたりしました。ただ、3年目でしっかり勝つことが一番大事だと思う」と話し、3年ぶりの全国タイトル獲得に自信をのぞかせる。

今季は4月初めに腰を痛め、練習では本数を減らしたり、ハードルの高さを低くしたり、強度を下げながら徐々に調子を上げてきた。もう、腰に不安はないという。8月の徳島インターハイで目指すのは、ハードル二冠。110mHは13秒台、400mHは高校生史上3人目の49秒台に照準を合わせる。

400mHと100mH、4×400mRの3種目でインターハイへ
400mHと100mH、4×400mRの3種目でインターハイへ

文/石井安里 写真/毛受亮介、中野英聡

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