北島康介引退後、日本男子200m平泳ぎの看板を背負って世界で戦ってきた小関也朱篤(ミキハウス)と渡辺一平(TOYOTA)。2016年リオ五輪ではともに決勝に進出(小関5位、渡辺6位)、翌17年は渡辺が1月に世界新記録を樹立すると、7月の世界選手権では小関が2位、渡辺が3位とそろって世界の表彰台に上ってきた。

※写真上=世界記録レベルの戦いが期待される小関(左)と渡辺の男子200m平泳ぎ対決
写真◎毛受亮介(スイミング・マガジン)

あくまでも世界選手権への通過点
でも、世界新への期待がふくらむ

 同じ平泳ぎとはいえ、50、100mでも世界の表彰台を目指す小関と世界では200m一本で勝負する渡辺では、少しタイプが違うが、それぞれの意地と力がぶつかり合う200mの対決は見ごたえ十分。日本選手権の最も見るべき、世界レベルの戦いのひとつとなる。

 ともに冬場を通して充実した練習を積んできており、最終追い込みとなった2月中旬から3月中旬までは同じ米国・フラッグスタッフにおいて、それぞれのチームで高地合宿を敢行。帰国後も順調に調整を続けてきた。4月1日、日本選手権の前日練習における記者会見では、両者ともにその手ごたえを感じさせる表情で現れた。

 渡辺は「今までの自分の人生で一番調子が良い。とにかく自己ベストを更新したい」と、かねてから公言していた自身が保持する世界記録(2分6秒67)更新に手ごたえ十分といった様子。また、この日からTOYOTA所属となり、「身の引き締まる思い。ここ数カ月は水泳のことばかり考えた生活」と、社会人選手としての自覚を持って、「今までの自分とは違う自分を見せられれば」と気合を入れる。

 一方の50、100mと合わせ3冠を狙う小関も順調そのもの。小関を指導する藤森善弘コーチは、「今までで一番良い状態。昨年は膝のケガもあって持ち味のキックがきいていなかったが、1年前にはあまりできなかったスクワットやレッグエクステンションなども十分にこなし、キックがものすごくよい」という。

 200mの自己ベストは2年前の日本選手権でマークした2分7秒18。目標タイムについて藤森コーチは「小関本人は2分6秒9、と言っていますが、欲をいえば2分6秒3(笑)。膝の状態は問題ありませんが、ここで無理をする必要もないので、2分7秒を切れればいいという感じでみています」と夏の世界選手権に向けたステップとしてとらえながらも、好記録に期待を寄せている。

 小関、渡辺ともに念頭にあるのは、2018年世界ランク1位となったアントン・チュプコフをはじめとするロシア勢との戦い。異口同音に「互いを意識しているわけではない」と言うものの、200mでは小関が現在4連覇中、世界記録保持者の渡辺は日本選手権で勝利を手にしたことはないだけに、見る側からすると、記録と合わせてその勝負の行方も気になるところ。

 男子200m平泳ぎ決勝は大会6日目の4月7日(日)。果たして東京辰巳国際水泳場で最後の開催となる日本選手権で、世界新記録コールが聞かれるのか。

 そのときを、待とう。

文◎牧野 豊(スイミング・マガジン)


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