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2021-09-16

52歳の船木誠勝がNOAH N-1へ悲壮な覚悟「最後のリーグ戦になるかも…。だから悔いを残さない闘いを」【週刊プロレス】



――'13年の「チャンピオン・カーニバル」以来、久しぶりにシングルのリーグ戦にエントリーされました。

船木 8年ぶりということは44歳以来ですか。カーニバルは2週間のシリーズの中でほぼ2日に1回リーグ戦で当たってましたけど、今回のスケジュールを見ると1カ月ぐらいの中でポンポンポンと飛び飛びで試合をするだけなんで、そこまで過酷ではないというイメージがあります。

――今回は各ブロック4選手がエントリー。公式戦は3試合で、各ブロック代表4選手によるワンデートーナメントで優勝を決める日程です。

船木 ということは優勝まで5試合ですか。すごい遠いですね。

――試合数が少なくてもやっぱり遠く感じますか。

船木 カーニバルの時もそうでしたけど、優勝して3冠に挑戦できるじゃないですか。いつも疑問に思うんですけど、そのリーグ戦優勝者の挑戦が終わったあとは普通に次の挑戦者が出てくるわけで。ここで挑戦するのが一番ハードな気がします。

――ブロックのほかのメンバーである齋藤彰俊選手が空手、マサ北宮選手と藤田和之選手がレスリング、いずれも格闘技をベースに持ってます。

船木 そう言われてみればそうですね。でも、そっちの方が断然やりやすいです。自分もそっちの要素の方が強いんで、自然に体が動いてくれるんで。そこはやっぱりキャリアかなと思いますね。そういう選手と同じブロックにしてもらってありがたい。逆にプロレスらしいプロレスをする選手が相手の方が、自分としてはしんどいってのがありますから。

――ただ3試合のうち2試合は無観客の中で闘うわけですが…。

船木 お客さんがいると気が散るじゃないですけど、やっぱりお客さんを意識しちゃうんですよ。(無観客試合はリアルジャパン昨年6・26で)1回しか経験してないですけど、最初は大丈夫かなあと思ってたんですけど逆に集中できて。そういう意味では、それも好都合だって気がしますね。

――パンクラス時代などと似た環境で闘ってる感じですか?

船木 たまたまかもしれないですけど、パンクラスでは試合中、お客さんも静かにしてくれてたんで。週プロには〝シーン現象〟って書かれましたけど、ほんとにシーンとしてて。その時に近いイメージです。それと武藤さんが言ってましたけど、「お客さんがいるのに声を出せないのだったら、無観客の方がやりやすい」って。

――声が出せない代わりに拍手や手拍子など音を立てて声援を送られますけど、それだとどっちを応援してるのか判断しづらくてやりづらさはないですか?

船木 そうなんですよ。今のが受けたのか、ただ技が決まったから拍手してるのか。やっぱり人間ってびっくりした時、「アッ」とか「オオーッ」って声が出るじゃないですか。そのへんの感覚がわからなくて半信半疑でやってて。でも、いいのか悪いのかわからないですけどそれにも慣れてきて。これが当たり前の興行の形になっていくのかなぁ、時代が変わる瞬間なのかなぁって思いますね。それもまた複雑ですけど。

――お客さんの声援に乗せられてという部分もあるわけでしょ?

船木 明らかにお客さんに乗せられてっていうのはありますね。ただ最近はそういうことがないんで、ほんとにほんとに自分との闘いになってきたなと思いますね。だけど、この形のプロレスを見てファンになるのか、ちょっと疑問に思います。自然でいられない状況、声を出しちゃいけない、出るものも出せない。規制がかかってるわけで、それでも会場に行って見るのかっていう疑問はありますね。

――楽しみに行ってるのに心の底から楽しんじゃいけないと止められている感じですもんね。

船木 行儀よく見ないといけませんよって。まあ、自分がファンだった頃は声出さなかったですけどね。田舎だったんで、レスラーをナマで見れるだけで十分なんですよ。試合内容よりも、サインをもらうとか握手するとか手が触れるとか、できるだけ近づきたいという欲望で会場に行ってました。

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