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2018-09-19

【System of Arthur Lydiard vol.3】中年太りの心臓病患者20人、32㎞走破までの8カ月間に何が?

ロング・ランの継続が命

 日本の忙しい皆さんの場合、6日どころか4日か3日でもきついかも…などという人もいるかと思います。そんな場合でも、ここで揚げている「コンセプト」を守るようにすると、全体像が見えてきます。

 例えば週4日の場合は、ロング・ラン45分―15分―ファルトレク20分―15分…。週に3日しか走れない場合、前記の週6日のスケジュールを2週間に引き伸ばして、週3日ずつやればいいのです(表3)。このパターンで、かなり短時間に1時間以上継続して走れるようになります。

 この段階では、ロング・ランの継続という点がポイントです。リサーチによると、2時間以上継続して運動をすることで、前記の「筋持久力」が一気に増大する、ということがわかっています。つまり、ゆっくりゆっくりのペースで2時間20分走ったとしましょう。この最後の20分こそが、本当のロング・ランの最大の効果となるのです。

 次回は、有酸素/無酸素トレーニングについて、詳しく説明してみたいと思います。

アーサー・リディアード
1917年ニュージーランド生まれ。2004年12月にアメリカでのランニングクリニック中に急逝。50年代中頃、「リディアード方式」と呼ばれる独自のトレーニング方法を確立した。その方法で指導した選手が、60年ローマ五輪と64年東京五輪で大活躍。心臓病のリハビリに走ることを導入した、ジョギングの生みの親でもある。

筆者/橋爪伸也(はしづめ・のぶや)
三重県津市出身。1980年からアーサー・リディアードに師事。日立陸上部の初代コーチを経て、バルセロナ五輪銅メダリストのロレイン・モラーと「リディアード・ファウンデーション」を設立。2004年以降はリディアード法トレーニングの普及に努めている。現在は米国ミネソタ州に在住。

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