close

2020-04-12

【System of Arthur Lydiard Vol.7】リディアード・トレーニング②無酸素練習への準備「ヒルトレ」

坂道がないなら、階段でもできる

 ヒル・トレーニングは、思った以上に脚に負担を与えます。一歩一歩踏みしめるように傾斜を上っていくことで、特にアキレス腱とふくらはぎを痛めつけます(=鍛えます)。

 雑誌の記事やネット上や第三者からの情報を受けて、急にインターバル練習を敢行してふくらはぎがパンパンになってしまった。勉強熱心なランナーの方は、そういう経験があるかもしれません。ヒル・トレーニングは、インターバル練習に対処できるように脚を準備してくれます。

 また、上り坂という「負荷」の下で「動き」を大袈裟に行うことで、「バケツに足を突っ込むような」ちょこちょこ走りだったランナーを、一気にストライドが伸びるような走りにしてくれることもあります。さらには、同じ感覚で走っていてもペースがキロ30秒以上も速くなることも稀ではありません。

 近所やいつものコース周辺に手ごろな坂道がない場合は、階段が最も適切な代用でしょう。神社の境内の階段、ビルの階段、少し短いですが歩道橋の階段でも代用できます。

アーサー・リディアード
1917年ニュージーランド生まれ。2004年12月にアメリカでのランニングクリニック中に急逝。50年代中頃、「リディアード方式」と呼ばれる独自のトレーニング方法を確立した。その方法で指導した選手が、60年ローマ五輪と64年東京五輪で大活躍。心臓病のリハビリに走ることを導入した、ジョギングの生みの親でもある。

著者/橋爪伸也(はしづめ・のぶや)
三重県津市出身。1980年からアーサー・リディアードに師事。日立陸上部の初代コーチを経て、バルセロナ五輪銅メダリストのロレイン・モラーと「リディアード・ファウンデーション」を設立。2004年以降はリディアード法トレーニングの普及に努めている。現在は米国ミネソタ州在住。

おすすめ記事

ランニングマガジン・クリール 2020年5月号

PICK UP注目の記事

PICK UP注目の記事