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2018-09-05

【System of Arthur Lydiard vol.1】靴屋のおじさんが不朽の方法論を確立。「有酸素トレの祖」のサクセス物語

どのランナーにもプラス

 今、日本は空前のマラソンブームを迎えています。「私もマラソンを走ってみたい!」と、生まれて初めてランニングシューズを購入しようと考えている人。「次のレースこそ4時間の壁を破りたい!」と願う人。「ド素人の漫画家でも3時間が切れたんだ、俺にもできないはずがない!」と意気込んでいる人…。ランニングやマラソンに喜びや生きがいを感じたり、新たな希望を見いだしたりしているような方々であふれているのではないでしょうか。

 これから解説していくリディアードのトレーニング法は、レベルやタイムに関係なく、ランナーの皆さんのプラスにこそなれ、マイナスになることは決してないといえるものです。

 次回は、リディアードの指導を受けながら、中年の肥満男連中がたった8カ月間で4時間マラソンランナーに進化していったという事実と、その秘密から解明していきたいと思います。     (すべて敬称略)

アーサー・リディアードが存命中の貴重な1枚。左から、ビル・バウワーマン(元オレゴン大監督で、ナイキ創設者の1人)、筆者、リディアード。 Photo : Lydiard Foundation

アーサー・リディアード
1917年ニュージーランド生まれ。2004年12月にアメリカでのランニングクリニック中に急逝。50年代中頃、「リディアード方式」と呼ばれる独自のトレーニング方法を確立した。その方法で指導した選手が、60年ローマ五輪と64年東京五輪で大活躍。心臓病のリハビリに走ることを導入した、ジョギングの生みの親でもある。

筆者/橋爪伸也(はしづめ・のぶや)
三重県津市出身。1980年からアーサー・リディアードに師事。日立陸上部の初代コーチを経て、バルセロナ五輪銅メダリストのロレイン・モラーと「リディアード・ファウンデーション」を設立。2004年以降はリディアード法トレーニングの普及に努めている。現在は米国ミネソタ州在住。

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